どぶねずみみたいに美しくなりたい」という名フレーズで有名なリンダリンダも捨てがたいですが、
「人にやさしく」という身も蓋もない、あまりにベタな言葉
ひねりも何もないタイトルのこの曲は、
それまでの斜に構えたRockの歌詞に革命を起こしたといっても良いでしょう。
童謡のようなメロディも革命的でした。
西洋の音楽としてのRockにおけるある種の居心地の悪さ、
洋楽へのコンプレックスなど微塵も感じさせない。
新しい日本のrockの誕生でした。
その後、フォロワーが沢山現れ、
今もBlue Hearts Childrenといえるようなバンドが
沢山出てきています。
僕らは日本のPunk Rockにリアリティを感じなかった。
日本にはストリートなど存在しないし、東京は燃えていないし、
日本にキッズなどいたことはない。
パンクバンドの歌詞が借り物に見えたのは、ある意味必然でした。
でも、豊かだったこの国の子どもたちが抱える絶望は、
ロンドンのストリートにたむろするキッズたちのそれと比べても、
はるかに深いものでもあったと思う。
予め失われた世代、何でもあるけど、
大切なものは決して手に入らないこの国に生きること。
十代を過ごすことのしんどさや、
でも、そんな中でも大切なものを諦めない。
くそったれの世界につばをはくのではなく、
だからこそ、毎日の灰色の日常を
精一杯生き抜こうという誓いのようなものを、
ブルーハーツの歌詞に感じたものです。
ボクにとって沢山、重要なバンドはあるけれど、
ブルーハーツもまたかけがえのないバンドでした。
ヒロトの逝ってしまったような目と痙攣するような動きは、
演出されたものではなく、
若かりしころの町田町蔵(今の町田康)のすべてを射抜くような眼力、大江慎也の思いっきり不器用なぎこちないボーカルとともに日本のロックを語る上でかかせないものと思います。