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人とこの世界 (ちくま文庫)
 
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人とこの世界 (ちくま文庫) [文庫]

開高 健
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

座談の名手でもあった開高健が、自ら選んだ強烈な個性の持ち主たちと相対する。一対一の対話や作品論、人物描写を混和して、遠近のある肖像として描き出した「文章による肖像画集」。開高健が、第一線の作家、詩人、画家、学者と真剣勝負を繰り広げる。戦後人物ノンフィクションの金字塔。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

開高 健
1930年大阪に生まれる。大阪市立大を卒業後、洋酒会社宣伝部で時代の動向を的確にとらえた数々のコピーをつくる。かたわら創作を始め、「パニック」で注目を浴び、「裸の王様」で芥川賞受賞。ベトナムの戦場や、中国、東欧を精力的にルポ、行動する作家として知られた。1989年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 344ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2009/4/8)
  • ISBN-10: 4480425934
  • ISBN-13: 978-4480425935
  • 発売日: 2009/4/8
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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33 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
僕はオイルショックの年の生まれなのだけれど、縁あって田村隆一さんのファンになった。もちろん開高さんのファンでもある。開高作品は「日本三文オペラ」が好きだ。開高ファンとしては異端だろうと思う。

さて、この本は開高さんらしい「聞き書き」である。聞いて書いたもの、である。聞きながら自分もしゃべった、しゃべっているもの、である。聞き手はインタビュー対象の背景に退くべきかどうかはわからないが、開高さんはいつもの開高さんらしく饒舌に、酔いの回った醒めた目で話を聞き、誘い水を向け、語らせ、語り、記し、沈殿し、淡く消え残っていく。

どの節もいい。が、とりわけよく発酵しているのが詩人、田村隆一との交わりであると僕には感じられた。

玉に瑕は、佐野眞一の、お説ごもっともだが昭和40年代という時代風景への入れ込みと魂の入りがいまひとつ感じられない解説。解説とはそういうものだという説には、たとえば松本清張作品を解きほぐしていく平野謙の姿を反証として挙げておきたい。

書いてくれないと思うが、大江健三郎を配してくれていれば、そういう時代の書物として、一冊のバランスがとれて完結の度合いがより高まったことだろうと惜しまれる。開高本には、僕はついそこまで求めてしまう。
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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 本書は単純な対談集ではなく、開高健と大物作家・詩人・学者・画家との対談の間に人物評論が入るという独特な構成をとっており、分量的には対談よりも人物評論のほうが大きい。対談相手は著者よりも年長の、対談当時それぞれの道を極めていた大家で、現代から見れば歴史的な人物だが、著者は彼らのプライベートな側面を巧みな話術で聞き出し、また表情の翳りや老化現象も容赦なく描き出していて、その人物の背景をなしているもろもろがよくわかる、いわば文章による肖像画集だ。個人的には今西錦司との下ネタ話が最高に面白かった。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
私が知っていた開高健は、全く違う人だった。

というより、マスコミによって切り取られた一部しか知らなかったため、
初めて開高作品を読んで、そのギャップにびっくりした。

釣りを愛し、グルメでもある趣味人的なイメージだったが、
本書では、豊富な言葉を自在に操りつつも、それでもまだ”言葉の表現力”に不満を持ち、
繊細な感性を躁鬱病とともに磨きをかけ、外見から、内面から、そしてあらゆる角度から対象物を描き出していた。

この作品では、当時の日本を代表する作家や詩人、芸術家たちが対象となった。
開高氏にとって人生の先輩であるうえ、いづれも一筋縄ではいかないクセのありそうな人物ばかりである。
そんな状況の中で、それらの人物に対峙する開高氏の度胸と好奇心にまず感心した。
そして、このような師弟関係にも似た人間関係を築いた開高氏の人柄に魅力を感じた。
大胆ながら抑制のきいた表現は、時には生意気に響く事はあっても、それが氏の魅力ともなった。
そして何よりも、言葉遣いの豊富さと表現の自由さに接したのは、今後読書を続ける上でとても大切だと思った。
最初はその型破りな文章に慣れなかったが、一度慣れてしまうと、普通の文章が飽き足らなくなってしまう。
おかげで、ますますくだらない本が読めなくなってしまう。。。

とにかく、その人物を知るには、その人が残した作品に直に接する事がなによりである。
読書の醍醐味と言ったら大げさだろうか、でも、それを実感する読書だった。
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