「青もみじ」とは、楓の新緑の美しさを表現する美しい言葉です。京都は四季折々美しい景色に出会えるですが、桜の頃や紅葉の頃以外の時期の美しさを知ることができる写真集だと言えるでしょう。
京都の代表的な「青もみじ」の名所を101箇所紹介しています。眺めている内に気が付きましたが、当然の如く紅葉の名所です。写真に切り取られたアングルもまた紅葉の頃のベスト・ポジションでした。新緑や初夏の頃に、薄く透き通った緑に包まれた京都を訪れた時のイメージがここに広がっています。
京都を撮り続けてきた写真家の水野克比古氏の素晴らしい写真のコレクションの中から厳選した京都の「青もみじ」の姿を選び出し、その風情を満喫できる本となっています。
個人的には80ページの緋毛氈と白障子の対比が美しい額縁のような天授庵の書院南庭に惹かれました。紅葉の頃と違い、緋毛氈の鮮やかな赤色が緑に映え、このコントラストはまさしく「青もみじ」の美しさを感じられる瞬間だと思いました。同様のことは、高台寺塔頭の圓得院の方丈北庭の緋毛氈と白砂と石組との対比の中で浮かび上がる緑にも見惚れました。鮮やかな景観が広がっています。
1ページに1つの「青もみじ」の名所が紹介されています。巻頭のページに地図が記してあり、本書で紹介してある名所が記してありますので、実際に訪れる際の目安にしてください。
写真の余白には、撮影の対象となった社寺仏閣の住所、電話番号、拝観時間、拝観料、最寄りの交通機関の駅名かバス停等が掲載してあります。
本書では、有名な観光寺院だけでなく、比較的知られていない社寺が多く紹介されているのもまた特徴のひとつでしょう。京都通の方にこそ鑑賞してほしい本だと思います。観賞用としてもガイドブックとしての利用にもまた優れものの写真集だと思います。