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最も参考になったカスタマーレビュー
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
なかなか深い・・・・,
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レビュー対象商品: 京都洋館ウォッチング (とんぼの本) (単行本)
私は、本書を「しばしば訪れる京都観光の参考に」とか、「既存のガイドブックのプラスアルファに」という程度の軽いタッチで読み始めました。しかし読んでみると、意外なことに、とりあげられている建築物は必ずしも既成概念としてよくある「洋館」だけではありません。明治以降の京都の建築群を著者独自の視点でとらえ解説しており、幅広い内容であることに気づきます。 建物によっては「これは『洋館』ではなく、『日本建築』?」というようなものもけっこう出てきます。 明治以降の時代の流れが感じられ、ノスタルジックであるとともに、「同じ時代でも、東京や大阪ではなく、やっぱり京都ならではの要素がありますね」と感じられる視点を提供しています。 そして、数多く掲載されている写真も、「とんぼの本」らしく陰影に富んだ作品であり、写真を見るだけでも本書を購入する価値はあると思えるほどです。 私は本書を読んで、「これからは、ありきたりの『京都観光』だけでなく、近代建築をテーマに京都について学ぶ旅をしたい」と思いました。 ページ数の少ない「とんぼの本」ですが、本書はそのわずか125ページの中に、「豊かな文化」を感じることのできる本です。 お薦めできる本と思います。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
建築史家の井上章一氏特有の視点と見解が散りばめられている「京都洋館」,
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レビュー対象商品: 京都洋館ウォッチング (とんぼの本) (単行本)
最初の「保存か開発か ゆれる京都をたのしもう」では、京都タワーと京都駅ビルを取り上げ、当時の景観論争を紹介しながら、「明治の景観破壊の第1号と言うべきか」と評した南禅寺の境内にある水路閣へと話を発展させていきます。蹴上の発電所と浄水場のポンプ室(片山東熊の作品だとは知りませんでした)と進み、小川治兵衛作庭の「無鄰菴(山縣有朋の別荘)」に話題が展開するなど、一筋縄ではいきません。本書は確か「京都洋館」の本だったはずなのに、という違和感を抱きながらも井上氏独特の語り口調の文章に引き込まれる自分がいました。 「神様仏様キリスト様 復古と欧化のはざまには」では、京都ハリストス正教会や聖アグネス教会の美しい内部写真(橋本正樹氏の写真の美しいこと、本書の質を高めていました)を提示し、龍谷大学大宮学舎や和讃の音楽を通して「本願寺じたいが、キリスト教にあこがれているということらしい」と評するなど、大胆な見解が記されています。真偽はともかく、ありきたりの「洋館」ガイドでないのは理解してもらえると思います。 「和のゆくえ 千鳥破風や唐破風をおいかけて」では絢爛豪華な南座の内部空間を披露し、次にマジョリカタイルが美しいカフェ「さらさ西陣」と銭湯「船岡温泉」の内部と外観、祇園甲部歌舞練場の唐破風と続く流れの見せ方に井上氏のひねりが感じられます。従来の京都の建築史の見方とは違う見解が京都市美術館の建物に対してもあり、井上マジックにかかりそうでした。 「建築史のお勉強 クラシック、ゴシック、そしてモダン」は比較的オーソドックスな流れでしたが、そこにも「梅小路蒸気機関車館扇形車庫(渡辺節が設計に関わっていたとは、これも初耳でした)」はモダンデザイン先取りだとする見解を披露しています。 安藤忠雄氏の建築にも触れていますがクラシックなイメージの歴史的建造物と言える「洋館」だけを取り上げていない井上氏の意匠デザインや建築様式への強い思いが表出されています。 「近代化へとむかう京都のあせり」という捉え方は賛否があるでしょうね。その当時の「近代化」への思いは京都だけではないはずですから。 字数が尽きてきましたが、オールカラーで京都を代表する洋館はかなり網羅されていると思いました。各「洋館」については別ページで施工、設計、住所、交通、電話、見学の有無などが記されています。
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