-- 東京の人は、料亭は値段が高すぎ、普通の人が行くにはあまりにも敷居が高く踏み込めない世界と思うてる。しかし、料亭の基本は「飯屋」です。けっして、敷居の高い場所ではありません。京都では、日常とちょっと違う雰囲気のところで食事がしたい、心を遊ばせたいという時の選択肢のひとつに料亭が入ります。そやから、料亭には、お客さんをたのしませようとする仕掛けがあちこちにないとあかん。それが料亭の務めです。--京都の料亭の仕事と知恵が東京・赤坂に進出!!
著者は1951年京都市生まれ。立命館大学産業社会学部卒業。京料理店「菊乃井」3代目主人。2004年9月、円山「菊乃井」、木屋町「露庵 菊乃井」に次ぐ3店目の「菊乃井」を東京・赤坂に開店。本物の日本料理を世界に広めることに、情熱を傾けつづけている。著書に『京料理の福袋』(小学館文庫)、『割合で覚える和の基本』(NHK出版)、『村田吉弘の和食はかんたん』(光文社女性ブックス)、『京都人は変わらない』(光文社新書)などがある。
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「料亭はめし屋」と言い切る村田さんがお客に満足してもらうために、食事や調度品にどんな気遣いをしているかという料亭の「内側」を率直に語っています。
村田さんが書いているように、京都の料亭は本当においしい料理を食べさせてくれる場所で、1万5千円ぐらいから利用できるところが大半です。一見さんお断り、というところもめったにありません。(それは「お茶屋」の話です)
ところが政治家や法人御用達の感がある東京の料亭は値段もずっと高く、マージャンやカラオケセットを用意して料理を軽視してる店が多いのに村田さんは腰を抜かします。ちょっと無理をすれば多くの人の手が届く「京の料亭」という場を東京にもつくり、日本料理を多くの人に楽しんでもらいたい、という思いから赤坂に店を出すに至った経緯がつづられています。
京都の料亭というと一生縁のない「秘境」みたいに感じる方も少なくないと思います。私も京都に転勤するまでそうでした。そして東京に戻ると、また縁遠い存在になってしまいました。本書は村田さんが語る料亭への思いですが、うまい日本料理を食する場をどう守るのかという一種の文化論だと思いました。
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