本作品は、立命館大学(以後立命と略す)客員教授の山田洋次監督と立命映像学部22人の学生の共同制作作品です。学生たちは、山田監督の指導の下、映画製作を通じて、人を知る事を学び、人を深く観察し、理解し、映画を撮るという事ことがどんな物かを学んでいきます。
舞台は、かって日本のハリウッドと呼ばれた京都太秦の大映通り商店街、お豆腐屋さんの長女で立命の図書館勤務の東出京子(海老瀬はな)、彼女の幼馴染で将来を誓い合ったクリーニング店の一人息子で、現在は売れない芸人修行中の簗瀬康太(USA)、そして、図書館で東出と出会い一目惚れした、現在立命に白川文字学を期間限定で研究している榎大地(田中壮太郎)の恋の三角関係をほろ苦く描いています。
立命は当然実在していますし、お豆腐やさん、クリーニング店、本屋さんも実在していて主演以外の人物は、総てそのお店の素人さんの演技です。途中、お店の紹介を兼ねて、各人がコメントを述べたりし、アレッと思わされたりします。
自分自身の限界に気付いていて、また、彼女への愛も真剣なのですが、それを素直に表現できない康太・・しかしダンスのシーンは見ものです、同じく、彼女への愛は真剣ですが空回りしているインテリの榎、そして、そんな2人の間で心揺れる京子、ついに、今度は北京へ留学するから一緒についてきて欲しいと新幹線のチケットを渡されます。果たして、京子の選択は・・・最後まで見終わって、ついほろっとなってしまいました。話の展開も見事ですが、同時に太秦の歴史、町並み、そして、そこに住んでいる人々も見度とに描かれています。
実は私の同級生(彼も凄いインテリ)が、図書館の女性に一目ぼれし・・・という体験があります。私は、提灯持ちしましたが・・・結果はいわぬが花・・・
実験的な作品ですが、どこか寅さんシリーズの面影もあり、ウエルメイドな作品に仕上がっています。なお、特典映像も必見です!