昔の京都はどのような姿だったのか、分かっているようで分かりません。そんな京都を再現すべく、幕末・維新、安土桃山時代、室町時代、平安時代と時を遡り歴史地図と特集記事で分かりやすく説明してありました。当時の京の地図をカラーで印刷し、現代の地図を半透明のトレーシング・ペーパーに印刷し、それら2つを重ね合わせることで位置関係を知ることができるという優れもののマップになっています。
52頁以降、信長が天下布武を目指し、京へ攻め上がった上洛ルート、本能寺の変について、分かりやすい記述と図解が施されており、簡単に理解できる歴史図鑑という趣も持っています。秀吉の聚楽第、御土居堀、方広寺大仏殿の記述も興味をひきました。現在京都で受け継がれている地域や区割りは秀吉が考えた仕組みです。
神泉苑は規模を縮小して同じ場所にあり、東寺は現在もその姿を保っています。平家ゆかりの六波羅密寺、六道珍皇寺、清水寺、三十三間堂(蓮華王院)は、寺領を小さくしながらも同じ場所に存在しているところが京都の凄い所です。東市の後に西本願寺や龍谷大学大宮学舎が建ち、愛宕念仏寺は清滝付近へと移っていきました。法勝寺跡は現在京都市立動物園になっていますが、鳥羽離宮近くの城南宮は同じ場所にあります。
幕末・維新の地図を見ると、現在の同志社大学・中学は薩摩島津屋敷で、京都大学は尾張徳川屋敷と土佐山内屋敷です。京都御苑と呼ばれている所は公家屋敷が密集しており、みやこメッセや京都市美術館は加賀前田屋敷と言うことになります。京都府庁は京都守護職屋敷跡で、京都市役所は本能寺跡です。
池田屋騒動は三条河原町東入る北側のパチンコ店の場所で起こり、河原町蛸薬師の竜馬暗殺現場の「近江屋」は土佐藩邸から4メートルのところにありました。
視覚で歴史を捉えられるように編集されています。歴史を暗記物として捉えることなく、ダイナミックにリアルに考える契機になるような書籍ですので一度手に取ってください。