「京都をディープに楽しむ」というコンセプトの通り内容でした。
「細く長く 京都の『横糸』 かく歩けり」という副題にもありますが、普通三条通りを取り上げる場合、寺町から烏丸にかけての明治の煉瓦建築の洋館が並ぶ一帯について書かれています。ところが本書の範囲は、東は山科区の四ノ宮から西は嵐山という本当に広範囲のもので、約20キロという長いエリアの散策用になっており一味違いますね。
三条通りは明治時代、京都のメインストリートでした。今は四条通にその座を譲っていますが、風格ある建物が街の品を保っています。弥次喜多の時代ではありませんので、この三条通りを全て歩き通す人はいないでしょうが、本書に書かれているように併行して走っている京阪電車や市営地下鉄を活用することで、ポイントを見て回れます。
懐かしさが漂う三条会商店街は、二条城にも近く、ユニークなお店があるところです。36ページの「サラサ3」「らん布袋」などガイドブックに取り上げられているお店から、京都で初めて抹茶ソフトクリームをつくった「矢野自作園」、カレーうどんや「パンダ焼き」が美味しい「玉屋」など、知る人ぞ知るといったお店の掲載は、らくたび文庫ならではの掲載でしょう。
嵐電広隆寺駅前の「京料理 ひし伊」などリーズナブルに京懐石を味わえるお店や庶民的なテイストの紹介もあり、幅広い京都観光のお供になることでしょう。
勿論、ルネッサンス風の洋館としてSACRAビル(三条富小路西北角)も掲載してあります。中には他ではお目にかかれない珍しいアイテムを揃えた雑貨屋さんもあり、見て回るだけでワクワクする場所の一つです。利用価値のあるワンコイン本でしょう。