浜田由利として毎日新聞社から出版された同名の著作に、一部、加筆修正のうえ甘里君香の著者名で文庫化したもの。
著者はもともと東京在住で京都に移り住んだ。よく、イギリス在住の日本人が書いたイギリス人の生活様式に関する本があるが、そんなタッチで書かれた京都人論。京都の観光や歴史の本ではなく、「京都の人」について書かれた本である。基本的には、新しいものにとびつかず、自らのスタイルをもって生活する京都人を賛美するタッチで書かれているが、おもしろいのは、そんな著者でも、住み始めたころは、京都人の自己本位の部分にとまどい、悩んだことが記載されていること。まさに異文化体験だったのだろう。
京都人を客観的に記述したというよりは、良くも悪くも著者の主観や気分を通してみた感覚的な京都人論である。