7月の風物詩とも言える全国的に有名な祇園祭や、8月のお盆の大切な宗教行事の大文字の送り火など、庶民の生活に根付いている京都の行事を歴史的な側面や文化的な側面を保ちながら、民俗学の観点からアプローチした論考が11本収録されています。
どれも興味深い話ばかりでしたが、「京都の盆と六道参り」での精霊迎えと精霊送りの話や、小野篁と珍皇寺との関係など、夏の京都観光時に必要な知識も記載してありますので、民俗学に興味がなくても読み進めることができます。
どの論考も写真や図版、注釈もあって文章の理解の助けになっています。ただ、執筆者が皆民俗学者ですので、史料も頻繁に本文中に出てきます。読みやすいかどうかは人によって捉え方が違ってくると思います。ある程度、この分野の基礎知識があった方が、理解が早いと思いました。
内容は4部に大別され、それぞれの中で各テーマについて分担執筆されています。章の内容は以下の通りです。
祇園祭 第一章 祇園祭の成立と山鉾[植木 行宣]、第二章 祇園祭の歴史的背景とその変遷―神々の祭り・人々の祭り[大島 新一]、六斎念仏と盆踊り 第一章 六斎念仏の歴史[山路 興造]、第二章 京都の六斎念仏―芸態を中心に[山路 興造]、第三章 京都の盆踊り[橋本 章]、精霊迎えと精霊送り 第一章 京都の盆と六道参り[八木 透]、第二章 盆と祖先祭祀[鵜飼 均]、第三章 丹後と若狭の精霊船行事[原田 三壽]、愛宕信仰と火祭 第一章 盆行事と火の風流[植木 行宣]、第二章 愛宕山と山麓集落[板垣 知子]、第三章 愛宕信仰と松明行事[八木 透]、あとがき。