2004年2月に大和書房より発売された『京都人の秘そかな愉しみ』を改題し、再構成したもの。
著者の入江敦彦氏は1961年京都生まれでロンドン在住のエッセイストです。「京都な暮らし」というタイトル通り、1年を通して歳時記のように普段の暮らしを紹介しながら、他には無い京都の特異性と異質性を浮き彫りにしながら、京都人の複雑さを披露しているように受け取りました。「いけず」いう言葉に代表されるように京都人のいやらしさは伝統を守る人々のプライドともリンクするわけで、「よそさん」の考え方とは一線を画しているのを本書ではしっかりと記しています。
四季折々の食文化と風俗、伝統と慣習、京都には本当に「こだわり」が多いです。著者のような「典型的な京都人」という人がどれだけおられるかは別として、京都の奥深さを知るエピソードが含蓄のある文章で語られています。文章はムダもなく、飽きさせない筆運びを随所で拝見しました。理屈っぽい箇所も散見しますが、物事へのこだわりが理論武装を必要としているのでしょう。
睨み鯛、初えびす、梅花祭、雛祭り、十三詣り、夏越祓、おしょらいさん、地蔵盆、糠袋縫い、仕舞い弘法など、愛してもやまない京都の文化と伝統行事の数々。京都特有の風物詩を眺めながら、独特の伝統と文化スタイルを噛みしめています。他ではうかがい知れないものでしょう。
不思議な街として「面白さ」を感じられることでしょうし、京都の良さを再確認する切っ掛けの書と言えるでしょう。