正絹のふろしきの図案や包み方からしても格調の高さを感じました。眺めていても飽きが来ませんし、奥の深い記述に驚かされました。季節行事や季節の花をデザインするなど、着物の柄との共通点も多々あり、和のテイストに溢れる1冊でした。正方形の布を使用しながら、嵩張らず美しさを感じさせる日本独特の風呂敷を最近あまり使用していませんが、改めてその美しさと利点に気付かされた本でした。
調べてみましたら、京都・室町にある風呂敷の老舗・宮井株式会社の取締役である久保村正高氏が執筆を担当しています。久保村氏は、「長きにわたりふろしきの歴史や文化を探求し、講演やテレビ出演多数。『ふろしき研究会』の設立に関わ」ってきた方です。また本書は、代表取締役社長の宮井宏明氏が監修にあたるというように、老舗あげて制作した書籍と言えるでしょう。宮井株式会社は、室町通六角下ルの鯉山町にあり、祇園祭の際は訪れたことがあります。「日本が誇る生活文化としてのふろしきの正統的な魅力を、今一度広く社会にアピールしたい」というねらいは、その通りでしょうし、上手くいっていると思います。
包み方にも日本の伝統文化を感じました。「すいか包み」などは実用性もありますし、「びん包み」などの包み方は、ラッピング以上のオシャレ感が漂います。包み方の図解も記載してありますので、練習すれば結構重宝な技術を得ることができると思いました。
縮緬(ちりめん)という言葉をよく聞きましたが、これはレーヨン素材の強撚糸(きょうねんし)織物なのですね。独特の風合いに味があります。
内容は、序章 ふろしき歳時記、第1章 方形布帛にこめられた美、第2章 包みの美・結びの美、第3章 ふろしきの美をひもとけば、第4章 京ふろしきのある風景、終章 京ふろしきの魅力、という章だてになっています。