今年99歳、現役で活躍中の挿絵画家、中一弥さんの絵がみたくて購入した。
戦前の「オール読み物」や戦後の「小説現代」の挿絵で御馴染みで、若い頃から慣れ親しんできた挿絵だ。
私は芸術論は良くわからないが、ここに収録された沢山の挿絵をみていると、一見荒削りに書かれているようだが、絵に流れがある。特にチャンバラの絵などは迫力満点だ。
乙川優三郎の小説ははじめて読んだ。しかし、時代小説とは、それなりの時代に対する知識や、昔の文物などの知識がある程度ないと、フルに理解するには無理がある。たとえば「高蒔絵」「二つ雁金」などはコンピュータで検索して知識を確かめながら読んだ。短編小説3編だが、思わぬところに伏線がさりげなく引いてあって、注意しながら読まないと、結末まで来て、もう一度前に戻って読み直す羽目になる。
時代小説好きにはこたえられないだろうが、私のように絵をみたくて購入した物には、小説はつけたしにしか思えない。