「交響詩篇エウレカセブン」のアニメを途中から見始めた私は、その重厚なストーリーがよく分かりませんでした。そんな中で私は「解説書」としてこの本を手に取りました。それが無意味な行為とも知らずに。
というのも、アニメの方の監督が巻末の解説で書かれている通り、この本はアニメで描かれている世界の違う可能性の一つなのです。アニメの忠実なるコピーではありません。まあこの手の小説は原作に完全に忠実であるということはほとんどないのですが、この本は特に「差別化」が意識されているようです。「小説としての面白さ」と「アニメ(映像)としての面白さ」が完全には合致しないという考えの作者ですので、「じゃあどんな『エウレカセブン』が面白いというのか」ということを念頭に置きつつ、批判的な目で原作と読み比べていただくと面白いと思います。登場人物の名称や土地の名前など基本的なものはリンクしていますので、アニメを見ている方ならとても読みやすいでしょう。
上にも書きましたが、アニメの「エウレカセブン」を追及したい方は、あえてこの本に目を通すことはありません。しかし、レントンやゲッコーステイトの仲間たちとともにパラレルワールドを旅して回るのも一興だと思います。人間臭いストーリーがたまらない、お薦めの一冊です。