初演は五反田簡易保険ホールで復活篇収録では杉並公会堂という2種類の録音がある、交響曲ヤマト。他に94年にNHK番組で第4楽章のみの演奏、09年に実演が2回行われているという。ヤマト復活編公開を期に聞き直してみたが、アニメの音楽集の性格も強い「交響組曲」と異なり、こちらはドラムスやエレキなどの現代楽器を一切使用しない交響協奏曲スタイル。
2種類の録音では、断然、09年盤の方がスタジオ録音ということから考えても音質的にもすばらしいはずなのだが、そこは実演の魔力。84年のアナログ録音、それも音響的にはデッドな簡易保険ホールの方がすばらしいのである。旧盤はN響を起用していることも大きい。このころのN響は名誉指揮者マタチッチらと名演を繰り広げていた時期に当たり、このオーケストラの黄金時代というべき時に当たっている。コンサートマスターの徳永二男も普段の定期公演でもあまり見せないような熱の入りぶりだ。(実際は、九四年の第四楽章の演奏が実は私はベストだと思うが映像がDVDになっていないので比較しようがない)
録音について、アナログの方が暖かみがあるというひとは依然として多いのだが、今回の2種類の録音を比較するとその意見には真実が含まれていると私は感じざるを得ない。
新盤との比較では、前半楽章は意外にも日本フィル盤の方が細かい点で新しい発見がある。特に第一、第二楽章に限れば私は新盤を採りたい。
第三楽章のスキャットや終楽章の二重協奏曲の高揚でいけば、やはり初演の方が良い。
同じようなアニメ、ゲーム音楽のオーケストラ録音ではドラクエシリーズがロンドン・フィルを起用して再録音を繰り返している。交響曲ヤマトも是非、海外のオーケストラを使って録音してみてはどうだろうか。
新盤のライナーによると、作曲者の羽田健太郎氏は、バーンスタインやブルックナーが好きだったそうである。そういえば、最初に主題を提示し、モチーフを組み合わせて、曲を盛り上げていき、最後に宮川泰の作曲した主題で終わりというやり方は、ブルックナーの交響曲のやり方を連想させる。
簡易保険ホールの映像はDVDにもなっていたが、CDともにあわせて廃盤ということである。