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交響曲入門 (講談社選書メチエ)
 
 

交響曲入門 (講談社選書メチエ) [単行本(ソフトカバー)]

田村 和紀夫
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

クラシック音楽の最高峰のすべてがわかる!交響曲には「構造」と「論理」がある。ハイドンからベートーヴェンをへてマーラーへ至る作曲家の創作上の工夫の跡を丹念に辿り、もう一歩深い名作の鑑賞へと誘う

内容(「BOOK」データベースより)

交響曲には「構造」と「論理」がある。「交響曲の父」ハイドンからモーツァルト、ベートーヴェンをへてブラームス、ブルックナー、マーラーへ。前代の課題を引きつぎつつ交響曲というジャンルに自らの個性を加えてゆく各作曲家の創意と工夫の跡を丹念にたどりながら名曲の高峰を経巡る、もう一歩深い鑑賞への誘い。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 220ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/1/13)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062584913
  • ISBN-13: 978-4062584913
  • 発売日: 2011/1/13
  • 商品の寸法: 18.6 x 12.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By nenemu 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー
楽曲分析による「交響曲入門」です。
モンテヴェルディに始まる器楽の優位から、ハイドンによる交響曲の成立、モーツァルト、ベートーヴェンによる発展、ロマン派以降(ポスト「第九」)の変遷、といった極めてオーソドックスな形で、交響曲について書いています。

これまでも、名盤紹介に音楽史や作曲家の人生などを交えて書かれた、交響曲ガイド的な本は結構多く出ています。
しかしこの本は著者が楽理の専門なので、楽曲分析(アナリーゼ)を交えた、音楽の構造の変化を中心に論じているのが特徴です。
しかも「入門」なのであまり難しすぎず、ソナタ形式の転調など、楽典、アナリーゼ的には基本とされることから詳しく述べていて、初心者にも分かりやすいです。

巻末に十数ページのディスクガイドを掲載していますが、これはどちらかというとおまけで、本題は楽曲分析の本です。
選書メチエとしてはややページ数が少ないようにも思いますが、良書です。
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11 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「形式は硬直したパターン」ではなく

「むしろ逸脱を受け入れる、あるいは逸脱の認知を可能とする柔軟な地図」である(p.28)

という観点から形式によって交響曲を読み解いていく。

4楽章制が交響曲の定石であるが

著者によればソナタ形式の第1楽章は頭、緩徐楽章は心、舞踏楽章は肉体に

「それぞれ対応する音楽」であり、それらの総合が終楽章の由(pp.38−39)。

「ソナタ形式の根底」にはアリストテレスがあらゆる劇の根底に見た

「紛糾と決着」(『詩学』)がある(p.17)。

モーツァルトが「短調のソナタ形式を長調で終わらせ」ないのは

「仮借ない悲劇性」という彼の美学(pp.53−54)。

舞踏楽章のトリオは「二つのオーボエとファゴットによる『三声』のスタイルで」

というのが名の由来(p.75)。

終楽章については

ハイドンの場合構築より並列、「論理性や密度よりも、流れが重視され」

「もはや細部の表現に拘泥するのではなく、アップ・テンポで押し切る。

速やかにクロージングに向かい、興奮と熱狂を巻き起こして締めくくる」(p.39)。

一方モーツァルトが「ジュピター」で見せた「最終的な具現」は

「フィナーレは全曲の頂点であり、到達点」(p.64)というもの。

そしてそれはベートーヴェンに引き継がれる)。

さて、交響曲の歴史に鑑みればフランスものが手薄になってしまうのは詮方ないとはいえ

それでもベルリオーズに1項を割いたのみで

あとはサン=サーンスとフランクに軽く触れただけというのは

フランス音楽を愛する評者(←筆名から分かる方には分かりますね!)にとっては何とも寂しい。

(せめてショーソンは取り上げてほしかった。)

巻末のCD選もかなり恣意的と感じる(これも好みの問題なので致し方ないが)。
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