楽曲分析による「交響曲入門」です。
モンテヴェルディに始まる器楽の優位から、ハイドンによる交響曲の成立、モーツァルト、ベートーヴェンによる発展、ロマン派以降(ポスト「第九」)の変遷、といった極めてオーソドックスな形で、交響曲について書いています。
これまでも、名盤紹介に音楽史や作曲家の人生などを交えて書かれた、交響曲ガイド的な本は結構多く出ています。
しかしこの本は著者が楽理の専門なので、楽曲分析(アナリーゼ)を交えた、音楽の構造の変化を中心に論じているのが特徴です。
しかも「入門」なのであまり難しすぎず、ソナタ形式の転調など、楽典、アナリーゼ的には基本とされることから詳しく述べていて、初心者にも分かりやすいです。
巻末に十数ページのディスクガイドを掲載していますが、これはどちらかというとおまけで、本題は楽曲分析の本です。
選書メチエとしてはややページ数が少ないようにも思いますが、良書です。