シカゴ警察東分署に勤めている凄腕の人質交渉人のダニー・ローマンは、同僚のネイサンから、警察年金基金が横領されている可能性を示唆される。その直後、ネイサンは不正事件の内偵中に何者かによって殺され、偶然彼に呼び出されていたダニーがネイサン殺害の容疑をかけられる。しかも、全く身に覚えのない警察年金基金の資料がダニーの家から発見されたため、横領の嫌疑までかけられてしまう。警察内部に潜む真犯人が、真相を知ったネイサンを消し、全ての罪をダニーになすりつけようとしているのだ!
司法取引のために、たった1日の猶予を与えられたダニーは、年金基金の横領に関わっていると睨んだ内務捜査局に押し入り、真相究明のため局長のニーバウムら4名の人質を取り、署内に立て篭もる。そしてダニーは警察側に西分署のナンバーワン交渉人のクリス・セイビアンを呼ぶよう要求。2人の敏腕交渉人が対峙することになったのだが……。
人質事件解決のプロである「交渉人」(ネゴシエーター)が無実の罪を着せられ、真犯人を炙り出すために、逆に人質を取って警察署に楯籠もるという設定は突飛だが、面白い。
無実の罪を晴らそうとするダニー・ローマン、犠牲者ゼロで事件を解決しようと奔走する交渉人クリス・セイビアン、突入を強行することで短期解決を図るアダム・ベック、ネイサン殺害の真相を語ろうとしない人質のテレンス・ニーバウム、突入に乗じて証拠の隠滅を画策する謎の黒幕など、登場人物それぞれの思惑が複雑に交錯する様子を巧みに描いている。先の読めない展開にはハラハラさせられる。特に互いに手の内を知り尽くしたダニーとクリスの交渉人同士の駆け引きは緊迫感があって良い。
真犯人探しが唐突な形で決着するのはどうかと思うが(伏線なし)、殺人事件の謎解きと人質事件が同時に進行するというユニークな発想を途中で破綻させずに結末まで導いた力量を素直に評価したい。主役2人(サミュエル・L・ジャクソン&ケヴィン・スペイシー)の演技合戦も見事。