元々榎田さんの作品は大好きなのですが、このシリーズは本当に面白いです!テンポの良さもそうですが、会話と言うか話回しが何とも絶妙。読んでいて途中一度として倦む部分のない作品と言うのは余り無いのでは?芽吹章、良いですねぇ。少しの気負いもなく、いつも自然体で。良い意味でのプライドもしっかり持っていて、でも嫌みがない。こういう人のことを本当の美人と言うのだと思います。彼の人間味と言うのは非常に魅力的で味がある。兵頭が惚れるのも無理からぬことだと思います。でも兵頭もヤクザだけど可愛いところが結構ありますよね。BL作品でヤクザと言うと、結構鬼畜系の形で描かれている作品が多い中、このシリーズが全編に渡ってほのぼのとした暖かさ、明るさを保っていられるのは、やはり登場人物の設定、描かれ方にあると思うのです。芽吹然り、兵頭、伯田、さゆりさん、キヨ、その他大勢の兵頭の子分の面々など…。何かユーモラスで、でもそこはかとない微かな悲哀などもどことなく感じられて…。人が生きていると言う感じがするんですよね。誰もが特別強くもなく、決してヒーローなどでもない。当たり前の人間像が描かれているだけなんですが、皆が妙に魅力的に感じられるのは何故なのでしょうか?榎田さんの作品って、こういう上手さがありますよね。
榎田さんの作品には好きなものが多いのですが、このシリーズはその中でも私のお気に入りになっています。出来ればもっと早めの続刊を期待しています。だって、この巻も随分と首を長くして待っていたんですから…。奈良千春さんのイラストも大好きです。でも、前作とほんの少しばかり画の雰囲気が変わったような…。気のせいでしょうか?