なぜ交渉を「ノー」から始めるべきなのか。著者は最も望ましい「イエス」は、「ノー」の応酬から得られると考える。ろくに交渉を進めていない段階での「イエス」はまだ本当の意思決定とはいえず、互いにとって危険なもの。「ノー」と言うことによってこそ、相手の本音を引き出し、互いの意思を正確に伝え合うことが可能だというのだ。また、相手に心理的な打撃を与え事態が好転した例として、大企業にいいように扱われていた中小企業が「ノー」を突きつけることにより、競合他社を差し置き契約を勝ち取ったというエピソードなどが紹介されている。
本書で披露される鉄則の数々は、そのほとんどが場数をこなしてきた人にはむしろ当然のことと思われるものばかりだ。つまりは衝撃的なタイトルとは裏腹に、まっとうな交渉術を説いた本と言える。不慣れな読者にとっては格好の入門書となり、交渉ごとにはいささか自信があるという人も、逆転の発想に驚きつつレベルアップをねらえる楽しい1冊だ。(工藤 渉)
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なるほどと思ったのは以下。
「私のクライアントは、売上げ目標やパーセンテージなどのゴールを設定しない。これらは自分でコントロールできないものだから(p66)」
「私たちがコントロールできること、それは自分の行動だ。・・(中略)・・逆に、自分の行動以外はすべて、自分の意志が及ばないと考えた方がいい。結果もその例外でない(P67)」
とても非常識なタイトルです。「タイトルだけで興味を引こうとする本でしょ。」と思われるかもしれません。
確かに、わずか200ページほどの本で、パラパラと見た限りでは、「分かりやすそうで、分かりにくい翻訳書」「実際には使えないアメリカ流の交渉術」と誤解される可能性が高いです。
でも、騙されたと思って、何度も何度も読んでみて下さい。セールスをはじめ、交渉の本質をえぐった本だと気づかれるでしょう。
今やカリスマコンサルタントとなった神田昌典氏が激賞する「売り込まなくても売れる」(ジャックワース著 フォレスト出版)の考えに、かなりの部分が共通しています。
「売り込まなくても売れる」がセールスのパラダイムシフトであり、何度も繰り返し読まないと分からないように、この本も交渉術のパラダイムシフトであり、何度も繰り返し読む必要があります。
ノウハウ系のビジネス書がアマゾン1位を競っている中、本質系のこの本はあまり話題になっていないようです。 レビューもあまり出ていないので、投稿しました。お勧めです。
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