切ない系の、幻想的な短編が4作入っています。
裕福な商家の三男だったが、家を出された正親は
旅芸人の一座で舞う角のはえた「鬼」の娘に一目ぼれし
彼女を身請けし、二人で旅に出る。
正親の優しさにふれた「鬼」の娘は、やがて心をひらくが。。
という表題作「亡鬼桜奇譚」
2作目「無限時計」は
ひとびとがそれぞれ自分の「時計」をもち、
その「時計」が止まると死をむかえる世界。
自由にあこがれ、永遠を否定する少女は
けれど「時計」の時間が他の人よりはやく進む少年と出会い。。
暴君だった王は、猟奇的なメイドにとらわれ
一年ごとに若くなり、記憶を失っていく。
復讐のため、だったはずだけれど。。「サンドグラスの檻」
ラストのお話「花のカノン」は、現代もの。
ひとつの花たばとその花がかけはしとなって
人々をめぐり、ささやかに結びつけるハートフルなお話です。
前3作は、和、洋のファンタジーと、ノワール風なお話と
種類はバラバラですが幻想小説のような趣のお話です。
テイストは違うのに、切なくて透明で優しい世界観は共通していて
著者の色が濃く出た短編集でした。