10代までクラシック・ピアノを学んでいたスティーブ・キューンですから、しっかりとしたクラシックの素養を感じさせる演奏が続きました。
スティーブ・キューン(p)、デヴィッド・フィンク(b)、ビリー・ドラモンド(ds)というトリオによって2005年8月18・19日にニューヨークで収録されたものです。
ただ、クラシックのアレンジものというイメージではなく、クラシックのメロディやテーマ、その曲のコード進行をモティーフにして、彼らが演奏したい音楽世界をジャズとして奏でるといった趣が伝わってきました。
最初と最後は原曲のテーマが使用されますが、中間部のほとんどは純粋のジャズ演奏でした。メロディの奏で方や和声も一味違う美しい雰囲気が漂っていますので、魅力的な作品に仕上がっていると評価はしています。
リリカルなピアノですし、変化に富んだコード進行を持っています。ベースもドラムスもピアノの邪魔にならないように寄り添った演奏でした。
なお、リーフレットの小川隆夫氏の解説は一定参考になりましたが、もう少し原曲のクラシックについて触れていただいても良かったのでは、と思いました。
収録曲は書かれていますが、オリジナルのクラシックの曲目が掲載してなかったので参考までに記すことにします。
1.I'm Always Chasing Rainbaows 〜幻想即興曲(ショパン)
2.亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)
3.Moon Love 〜交響曲第5番第2楽章(チャイコフスキー)
4.One Red Rose Forever 〜君を愛す(グリーク)
5.白鳥の湖(チャイコフスキー)
6.夜想曲変ホ長調 作品9.第2番(ショパン)
7.夢想(ドビュッシー)
8.前奏曲ホ短調 作品28.第4番(ショパン)
9.Full Moon And Empty Arms 〜ピアノ協奏曲第2番第3楽章(ラフマニノフ)
10.パヴァーヌ(フォーレ)
11.ブラームスの子守唄(ブラームス)