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五郎治殿御始末 (新潮文庫)
 
 

五郎治殿御始末 (新潮文庫) [文庫]

浅田 次郎
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商品の説明

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 「御一新」から数年経った明治のはじめが、この短編集の舞台。武士という職業はとっくになくなり、多くの侍が職業を変えて、必死に生きようとしていた。本書はそんな激動の世に、屈折した感情を抱きつつ生きている「元」侍たちが主人公である。

   表題作「五郎治殿御始末」は、桑名藩の元事務方役人・岩井五郎治の思い出を、その孫が語る短編だ。廃藩置県の施行により、五郎治は旧藩士の「始末」(人員整理)を命じられる。元同僚たちに恨まれ泣きつかれながらも、彼はリストラの役目を淡々と遂行していく。そしてそれが終わったあと、五郎治はある決意を胸に、自分自身と岩井家の「始末」をつけようとするのだが…。

   この物語では無垢な孫の目を通じて、時代が変わることの悲しみを静かに描いている。『壬生義士伝』でも採られた「語り」口調の文体が、巧く登場人物たちの心情を引き出すのに役立っている。

   本書に収められた短編の主人公たちは、みな愚直であり不器用である。今風にいうなら彼らは「負け組」である。しかし彼らは決して卑屈にならない。時代の理不尽さを充分に承知し受け入れて、何とか折り合いをつけようとする。

   表題作のほかに、商人としての第2の人生を生きる決意を抱いた元旗本の物語「椿寺まで」、太陽暦の導入に反発しながらも、最後はそれを黙って受け入れていく元幕府天文方の話「西を向く侍」などを収める。

   彼らの凛(りん)とした精神の潔さが、いずれの短編の結末をも救っている。読んでいくうちに、知らず知らずのうちに主人公たちに励まされてくることに気が付くだろう。(文月 達) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

出版社 / 著者からの内容紹介

武士という職業が消えた明治維新期、最後の御役目を終えた老武士が下した、己の身の始末とは。時代の境目を懸命に生きた人々を描く六篇。〈解説〉磯田道史 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 250ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/4/25)
  • ISBN-10: 4101019258
  • ISBN-13: 978-4101019253
  • 発売日: 2009/4/25
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
浅田次郎さんの本、初めて読みました。歴史小説は昔から好きでいろいろな作家の本を読んでいましたが、背景描写がすごいの一語ですね。この本短編が6本あり、それぞれ読み終わったあとしばらく何ともいえない余韻がしばらく続きます。明治初頭の元武士階級の物語で、頑固に武士という職業にこだわり最後の最後までそれにしがみ着き、そして時代の流れに流され、流れていく...。明治というと一遍に時代が変わったと思われていたけどこんな人達が沢山いたんだ、また明治時代というとすごく昔のような印象だけど、ほんの少し前だということがよく分かった一冊でした。
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By bell-4d
形式:単行本
江戸から明治へと時代が大きく動いた真っ只中、丁髷を落し刀は無用の長物となり、時間や曜日の数え方は西洋化し一年の暦までも変わってしまう。そのカルチャーショックたるやいかばかりであったのか、私たちは簡単に「明治維新」という言葉でわかったような気になっていたけれど、実の所その時代に生きた人々にしてみればどれほどの変革だったのか改めて考えさせられました。
武家社会の崩壊の中で不器用な生き方しかできなかった愚直なまでの人物たちが、せつないけれど決して未来への希望は捨てず新しい自分を求め再生していく、子や孫へ想いを託していく姿は作者ならではの愛情に満ちていてとても心に残りました。この時代の庶民の生活ももっと知りたくなりました。
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By 街道を行く #1殿堂 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
明治維新を迎えた武士の生き様が6つの短編で描かれています。維新の英雄の物語は数多く語られていますが、ここに描かれているのは英雄ではなく普通の武士にとっての明治維新です。維新でそれまで脇差を差し髷を結っていた武士の時代は終わります。その終わり方も劇的で一年一年次々とお触れが出され、右往左往する中で時代が変わってゆきます。ここに描かれている侍は、時代の激変の中で武士道を守り通すと同時に自分自身が時代遅れの存在になったことを自覚し武士道の幕引きをする最後の武士の姿です。新たな時代の幕を開ける人がいれば必ずその影で古い時代の幕を閉じる人達がいます。そこに着目した著者の慧眼と共に自分自身の始末をつける武士の姿に感じ入るばかりでした。
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いずれの編も秀作
幕末から維新という時代の変り目に遭遇した侍達に着目した短編集。

フィクションとはわかっているが、きっとこういう不器用だが一途な... 続きを読む
投稿日: 10か月前 投稿者: SlapShot
人間の悲哀と意地とたくましさ
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明治への激動の時代に人生を翻弄される男(武士)達とその家族や周りの人達の儚く苛烈な生き様を各々の心が透けて見えるような空気感を持って見事に描いた優れた6編の短編小... 続きを読む
投稿日: 2009/12/19 投稿者: New JJ-K 72
魂だけは売り払わない誇り高き侍たちの物語
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明治維新後の激しく転変する世の中にあって、引きずってきた過去との折り合いの付け方に苦しむ男たちを描いた六つの短編集。“泣かせの”浅田節ではないが、時代背景を最大限... 続きを読む
投稿日: 2008/5/3 投稿者: 酒本舗
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投稿日: 2008/3/15 投稿者: 佐藤さえ
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「鉄道員」をはじめ本当に短編小説と言う分野を丹念に熱心に書き続ける作家。... 続きを読む
投稿日: 2008/2/26 投稿者: ぼへみあん
出色
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