3年振りの新刊、今回も待った甲斐の十分ある力作です。
本シリーズの魅力は、勿論ストーリーの面白さがベースにありますが、端的で無駄が無く、それでいて行間に多くのニュアンスが滲む文章運びの素晴らしさもその一つであると感じています。
海外物の評価は翻訳の出来にも左右されますが、その点、本シリーズを担当されている柳沢由美子さんの訳は、作者と訳者の力量がマッチした好例であり、安心して遠いスウェーデンの物語に没頭することが出来ます。
その優れた文章力は、本文同様のシャープな語り口で記された「訳者あとがき」(実際はあとがきの領域を超えた判り易い解説)においても伺うことが出来、読了後の楽しみでもあります。
作年発表されたという第10作も含め、残るシリーズ4作品が引き続き高い質の訳で読めるよう、柳沢さんにはご健康に気をつけて益々頑張っていただきたいと願います。