本作はスウェーデンの地方警察イースタ署の刑事クルト・ヴァランダーを主人公とするシリーズ第6作とのこと。なるべくいろいろなものを読もうと、本書で初めてこのシリーズを読みました。1994年スウェーデン南部スコーネ地方のイースタ警察署が舞台になっています。スウェーデンというと北欧の一国であること意外あまりなじみのない国でした。
設定が15年前ではありますが、連続殺人事件に警官たち自体がおののいて今後の社会治安を不安に思う場面など、犯罪にあふれているアメリカのミステリーを読みなれているとある意味古きよき時代を思わせる初々しさを感じます。捜査も大変地味でチームで、はっきり関係が否定されるまですべての可能性を捨てない手法で、本来警察の犯罪捜査はこのように進められるのだなとある意味リアリティがありました。
スーパー警察官がいるわけではなく、あっと驚くトリックもありませんが、本シリーズの読みどころとしては、ヴェランダーを中心とした警察官の群像劇と主人公の内省、スウェーデン現代社会病理と犯罪捜査などを味わうことができる点だと思いました。