村上龍の頂点はこの作品でしょう。
短い小説ですが
ただ短いのではなく、作中に出てくる日本のビールと同じで、濃いのです。
主人公が窮地に陥ったところで終わり、読み手にその後を要求させ、ヒュウガウィルスが語られる(ヒュウガウィルスもまたそれなりにおもしろい)のですが
読まなくても、オダギリのその後がわかるほどに、この小説はコンパクトで、完結しています。
「生命力」の描写はコインロッカーベイビーズに通じるものがありますが
この小説はオダギリ本人すら気づいていない成長、小説内で語られる日本人としての覚醒の描写が見事です。
最後のオダギリのセリフには泣かされます。
あの情けないヒモだった人間の口から、ついにこんなセリフが出るようになったのかと、感動してしまいます
日本人としてとても勇気づけられる気分になります。
中学生の時に読みましたが、10年経っても心に残っている一冊です。