素晴らしいかったです。
こんなものが読みたかった!と思える作品でした。
溢れんばかりの才能を持ち合わせた二人ですが、その才能を認めるが故に岸本は別れを決意します。
その傷は5年の歳月を経ても槇を苦しめ続けますが、岸本が同性の恋人を連れて日本へ戻ってきたことから、それは愛憎へと取って変わり、その恋人を奪い取り岸本の心に自分への憎しみを永久に植え付けることで、愛されない飢えを満たそうとします。
そしてその恋人は、才能豊かで魅力的な槇に惹かれ始め、岸本より槇を選ぼうとするのですが…。
愛憎劇といっても、岸本の恋人がとても心の暖かい青年なので、ドロドロした感じはなく、とても美しくて切ない物語りです。
…ですので、槇も岸本の恋人に本当に惹かれていきます。
芸術家同士のその才能溢るるが故の、愛憎の物語りで、私の大好きな作品です。
そういう話しがお好きな方には是非読んでいただきたい作品です。
ただし、ハッピーエンドで明るく簡単に終わったのだけが不満でした。
別にハッピーエンドでもよいのですが、せっかくあれだけ芸術家の独特の世界感を表現していたので、(字数制限もあったのかとは思いますが)もう少し印象的な終わり方にしてほしかったです。