東京湾臨海署シリーズ第2弾。
前作が登場人物ひとり一人にスポットをあてるような人物紹介的な要素もあった短編集だったのに対し、今回はそのメンバーたちが一つの大きな事件を追う長編。
続編とはいえ、ここから読んでも十分楽しめる。
ライブハウスで女性が毒を飲んで死んだ事件が発生し、臨海署からも応援を求められる。ほかにも事件が続き要員を裂けないないため、係長の安積は部下を1人派遣。しかしこの部下が警視庁から来た刑事らに不当な扱いを受けるのを見かね、ついには自ら捜査本部に乗り込んでいく。一方、安積班の別のメンバーは、捜査中の別件の資料から、ライブハウス事件につながるヒントを得る。部下を信じる安積は、捜査本部を分裂させてまで、その線で事件を追うが・・・。
個性的な部下たち、官僚的な警視庁のキャリア、警察内部の縄張り意識や階級意識、などなど、横山秀夫らが台頭して定着した感のある警察小説の新要素が、1988年に書かれたこの本にすでにあるのが驚きだ。
事件の捜査の部分では、「これで公判維持できるの?」「それだけの証拠で逮捕状を請求できるの?」と疑問がわく部分もなくはない。けれども、それらの欠点を補う魅力が、主人公の安積にはある。
本人は<愛すべき部下たち----それに対して、自分はただうなずくだけだ>なんて自嘲しているけれど。