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31 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
意外とサラッと読めた。,
By 漆原次郎 (千葉県市川市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 二重らせん (講談社文庫) (文庫)
1962年のノーベル生理学・医学賞受賞者ジェームズ・ワトソンによる、DNAの二重らせん構造解明までの体験記。2004年7月にワトソンの同僚フランシス・クリックが、がんのため逝去した。ワトソンは「フランシスの素晴らしい知性と優しさは忘れられない。ケンブリッジの小さな研究室でともに2年を過ごせたのは本当に名誉なことだ」と追悼した(毎日新聞より)。その2年間の出来事がこの本には詰まっているわけだ。 「『二重らせん』は、科学者のノーベル賞獲得への欲望が剥き出しに表現されている」という前情報を知ったうえで読んだ。そうした話が出てくることを覚悟していたからか、それほどイヤミを感じずさらっと読めた。むしろ「フランシスはまた大失敗をしでかした」というふうに、素直なまでにそのときのワトソンの心情が書かれていて、気持ちいいくらいだった。 用意周到にも、ワトソンはノーベル賞級の研究成果を上げたらこうした本を上梓することをあらかじめもくろみ、日々の記録をとっていたのだそうだ。だからではないだろうが、本に出てくる関係者はフィクションの登場人物よろしく、それぞれのポジションが揃っている。仲よさげな妹のエリザベス。同僚で口数の多いフランシス・クリック。研究所に重鎮として居座るローレンス・ブラッグ卿。後にワトソン、クリックとともにノーベル賞を受賞するモーリス・ウィルキンス。アメリカにいる研究競争相手のライナス・ポーリングなどなど。しかもポーリングの息子ピーターがワトソンたちの本拠地に留学していて、ワトソンらが、ピーターから父ポーリングの研究進捗状況を掴み出すといった生々しいエピソードも書かれている。 もうひとり忘れてはならない登場人物を記しておく。モーリス・ウィルキンスと研究室をともにしながらも、当時の立場的な理由によりやがて反目相手となった女性科学者ロザリンド・フランクリンである。彼女の研究成果があってこそ、ワトソンたちは二重らせんの解明に成功した(というより、ロザリンドの研究成果をワトソンは盗用したようなもの)。彼女は37歳の若さで死んでしまい、ノーベル賞受賞という日の目を見ることはなかった。この本の中で、ロザリンドは例により酷い書かれようをされているが、あとがきでは旅立った人に対してワトソンは追悼している。興味をもたれた方は、ロザリンドの立場にたった『ロザリンド・フランクリンとDNA―盗まれた栄光―』という本が出ているので読まれてはどうだろう。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
最高の小説,
By
レビュー対象商品: 二重らせん (講談社文庫) (文庫)
僕にとっては最高の小説です。ライバルあり、困難あり、失敗有り、また女の子にうつつを抜かし・・・ワトソンはヒッピー野郎でクリックはしゃべりすぎ。ですが、最後には「やった!」とDNAの構造を解明する。この小説(小説と行って良いと思う)を読めば学者の発見の喜びを追体験できると思います。
13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ワトソン博士自身による面白い本,
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レビュー対象商品: 二重らせん (講談社文庫) (文庫)
DNAの構造を解き明かしたワトソン博士自身による当時の手記です.発見後まもなく書かれたということで,いわゆる回顧録とは異なって,当時の新鮮な熱気が伝わってきます.登場人物は,クリックは当然として,ブラック卿,ライナス・ポーリング,ケンドルー等々,ビッグネームばかり.しかし,ブラック卿とポーリングは別として,ワトソン・クリックだって当時は新米です.その新米たちが,いかに楽しそうに,また悩みながら研究をしていたかを生き生きと描いてあります.科学という普遍性や客観性を求められる仕事と,それに携わる人たちの個性や主観のぶつかりあいの対比が面白いです.僕が言うのはおこがましいのですが,本当によく書けている本です.これが文庫で読めるのは幸せです.
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