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最も参考になったカスタマーレビュー
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
文才の差が痛々しい,
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レビュー対象商品: 二重らせん第三の男 (単行本)
モーリス・ウィルキンズの自伝。て、モーリス・ウィルキンズて誰かと言うと、ジム・ワトソンとフランシス・クリックと共に「核酸の分子構造とその生命体の情報伝達への意義関する発見」で1962年のノーベル医学生理学賞を受賞した物理学者だ。
ワトソンとクリックは有名だが、ウィルキンズはあまり知られていない。実際にDNAの構造がこうだと発表したのがワトソンとクリックで、ウィルキンズはそれに決定的なX線解析のデータを出したという関係だったので、DNA構造の発見者と言うとワトソン・クリックの二人ということになる。タイトル『二重らせん第三の男』はここから来ている。 ウィルキンズのノーベル賞にはもう一つ陰がある。ウィルキンズの発見は実は同僚の(しかも不仲の)ロザリンド・フランクリンが行ったものだという。ワトソンが“名著”『二重らせん』でそれを暴露していて、ロザリンド・フランクリンに敵対的な視点で書いていいる。『二重らせん』がベストセラーになったものだから、ウィルキンズはこの評判に死ぬまで苦しめられたようだ。彼が2004年に亡くなる前年に出版されたのが本書である。 この辺の経緯に興味を持って数冊読んでいたのだが、ウィルキンズの言い分も聞かないといけないかなと読み始めたわけだ。自伝と言うことで、彼の生い立ちから始まって、自らの研究史、そして、フランクリンとの確執、そして、二重らせん発見とのかかわりが書かれている。生い立ちの部分が面白くならないのはある程度しかたないけれども、研究の紹介の部分も「ワクワク感」が全然ない。フランクリンとの確執については、いかにも言い訳めいている。結局、上司が悪かったんだと今更言ってもねえ。もう一方のワトソンが文才あふれる(あふれすぎる)人だけに、文才のない中で自己弁護的自伝の執筆に追い込まれたのは、少々痛々しい。 科学史としての二重らせんに興味があったので読み通せたが、自伝としてはかなり退屈なものだった。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ウィルキンズの側から見た物語,
By 沈思黙考 (兵庫県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 二重らせん第三の男 (単行本)
共同ないし競争研究者間のコミュニケーションのひだ(表向きの率直さに隠れた私情のもつれ)が伝わってくる良書・・・
ウィルキンズを「悪の権化」に祭り上げることになってしまったアン・セイヤーの間違いをまとめた「訳者あとがき」を物差しとしつつ、読んでみました。 154−157ページをどう解釈するかで、読後感(読者の思い込み)が分岐すると思います。 思い込み・・・こればかりは、客観的観察対象というより、自己申告対象である以上、 当事者次第でいつでも泥沼にはまってしまい、争いの帰趨はつかず、勝敗はぼやけてしまいます。 研究室のボスであったランダルの指導力やフランクリンの頑なさに対する否定感、 キングズ・カレッジの縄張りであった研究内容にクリックとワトソンが踏み込んできたことへの抵抗感・・・ ウィルキンズは「科学者は、他のどの業種の人よりもオープンな必要がある」と述べた通り、率直な私見を展開していますが、 ノーベル賞に値するウィルキンズの業績とは何だったのか?という私の疑問は解けずじまいでした。 ワトソンとクリックは、とにもかくにも、二重らせんというモデルを導出し、フランクリンは決定的証拠となるB回折パターンを提示した訳ですが、 ウィルキンズは何をしたと言うのでしょう? 「核酸の構造と機能の解明でキングズ・カレッジもノーベル賞の対象となったのは、 1940年代後半から1960年代初頭にかけて積み重ねられた膨大な研究に対してのものだった」では、とても納得できません。 名声の良いとこ取りをすることの難しさを教えられます・・・
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