二次元美少女とは、アキバ系フィクションに登場するヒロインたちのこと。その類型について、漫画、アニメ、ゲーム、美少女ゲームと非常に広範な範囲にわたって調査を繰り広げた成果が、本書。
感嘆したのは、その渉猟の範囲の広さ。戦闘美少女を論じるにあたって、美少女ゲームまで調べてあるのには、舌を巻いた。本当によく調べていらっしゃる。
残念なのは、「(自分が青春を過ごした)80年代に比べると劣化している」という結論が散見されたこと。結局ノスタルジーかよ、と悲しくなった。著者は1969年生まれ。80年代のアニメは、著者にとって青春のアニメである。東浩紀にせよ、岡田斗司夫にせよ、本田透にせよ、オタク文化の論者は「自分の同世代を擁護する」という罠にはまるものだが、類似した陥穽に陥っているのは、返す返すも残念。仕事の質がいいだけに、もったいない。
しかし、その残念な部分をのぞいても、資料的な価値はあまりあるし、いろんな資料にあたった著者の情熱は決して消えるものではない。