ここで描かれている二宮尊徳の業績を「へー、二宮金次郎ってこんなことやったんだー」で終わらすのは余りにももったいない。 個人的にはまず政治家の方に読んでいただきたい。 尊徳の実践は非常に現実的なものであった。 その土地の年貢を過去数十年、時には百八十年遡って調べ上げ、それに応じて上納米を決める。 定額以上の年貢は荒地開発や用水のための費用にあてる。 非常にシンプルな政策にも関わらず「農民と胡麻油は絞れるだけ絞れ」に象徴されるような政治が横行しており、実現されていなかったのだ。 教育者にも尊徳の思考は活かせる。 村の中を巡回し、会う人に声をかけ、時には指導する。 意欲の高い者を表彰し、低い者を感化させていく。 意欲の低い者が目立ちがちだが、そこにとらわれず、教えを施していったのだった。 表彰、貸し付けも村人で相談し、投票で決定していたという。 決して全てが順風満帆ではなかったが、数多くの村を建て直し、生涯を貫いた報徳の深い思想と実践に学ぶところは大きい。