◎政権交代が起きやすい二大政党制こそが政治を「良くする」のか? マニフェスト選挙こそが政治の常道なのか?
時代遅れになりつつある二大政党制の欠陥を指摘し、政党政治とデモクラシーを、いま改めて考える。
◎この本は、二大政党制への批判の書だ。強調されるように、二大政党制は政治にとっての「万能薬」とは決してならないし、むしろ他の先進国と比較した場合、かなり異質な政党政治のあり方でもある。政治改革の議論の中で、「政権交代」や「マニフェスト」といった、口当たりは良くとも、かなり粗雑な議論が横行してしまった。その結果、二大政党制の「功」だけが一人歩きすることになり、その「罪」は無視されることになった。しかし、格差問題や新自由主義、ゆがんだナショナリズムや排外主義といった現象は、もしかしたら、この二大政党制の進展と無縁ではないのかもしれないのだ。 (本文より)
◎「二大政党化」と「二極化」の進展は、社会の両端と底辺に位置する有権者たちを置き去りにする可能性を持っている。二大政党化は、競争者が少ないために、実現が難しくコストのかかるような政策を取り上げなくとも選挙で勝つことを可能にするし、また二極化のもとでは政策の内容ではなく、政権交代があるかないかでもって選挙を戦うことができるからだ。
(本文より)
【著者紹介】
吉田徹(よしだとおる)
一九七五年東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒、日本貿易振興機構、東京大学総合文化研究科、日本学術振興会特別研究員を経て、現在北海道大学法学研究科准教授(学術博士)。専門は比較政治学、ヨーロッパ政治。著書に『ミッテラン社会党の転換----社会主義から欧州統合へ』(法政大学出版局)、共著に『政権交代と民主主義』(東京大学出版会)、『政治的エグゼクティヴの比較研究』(早稲田大学出版部)、『アクセス地域研究II 先進デモクラシーの再構築』(日本経済評論社)、『日本はどう報じられているか』(新潮新書)など。
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