二声の類的対位法についての実習本です。
扱われている範囲は、二声の単純対位法(全音符定旋律に対旋律を書く)のみです。三声以上のものや、転回可能対位法・模倣・自由対位法などは本書の対象外です。しかし、そういったものを書く場合でも本書のルールが基本となってきます。よって、本書は入門書として適当であると思います。
説明の方法は、対旋律をリズムにより分類し説明していく、伝統的な学習方法に沿った形です。譜例も必要充分な量で、誤解は生じにくいでしょう。
おそらく故意にそう書かれたのだと思いますが、解説は徹底的に無駄を削ぎ落としたシンプルなものです。しかも徹頭徹尾、どのページを開いても同じような文体です。不親切で退屈な本と感じる向きもあるかもしれませんが、その言わんとする内容はどれも極めて明晰であり、簡潔さによる静謐で透明な世界を感じることができます。
なお、本書は『三声−八声対位法』と一体をなす著作です。