「はじめに」に学生向けの教材として作成されたとあるとおり、実務者向けの内容ではありません。
この本に登場する企業の中には、発刊から何年も経っていないのにもかかわらず既に潰れたところもあったりして世の無常を感じざるを得ません。それはともかくとしても、在りし日の福島第一発電所の写真を載せているのはお茶目過ぎると思うので、改訂版が出るようであれば削除してもらいたいところですが、原発(発電機)のビジネスモデルへの言及は興味深かったりもします。
全体として、特許庁監修なので仕方がないとは思いますが、作って売る、というパラダイムというかビジネスモデル自体に対する疑念が感じられないのは読んでいて面白いものではありません。イノベーションが経済成長の源泉だということには私は全面的に賛成しますが、イノベーションとは、如何に多くのモノを売り儲けるかという個々の企業レベルの課題に対するものではなく、世の中を便利にするものでなくては意味がないというか世の中の進歩とか経済成長には結びつかないはずだと私は思うからです。