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内容は、大きく米国編と英国編とに分かれ、その各々の実態を紹介するが、日本における企業再生に関する法律は、元々、民法・商法といった基礎法が大陸系の法理論に沿ったものであったにもかかわらず、結局、英米法的な要素を多く取り入れたものとなっており、特に、民事再生法も、米国の企業再生に関する様々な法を取り込んだものとなっている。そういった意味において、英米に学ぶことは極めて多いのである。
株価の上昇によって、今後急速に事業再生の進むことが期待される。ようやくにして、バブル経済による負の遺産から開放されるべき時が到来したのかもしれない。事業再生機構や企業再生ファンドの活動が注目される中で、今後、事業再生ファイナンスは、従来のような安定企業に対するファイナンスとは、異なるコンテキストで語られる機会が増えることになろう。そういった時間的な認識の中で、先駆的なテキストとして、破綻や事業再生に関わる法曹関係者のみならず、広く銀行関係者や投資ファンド関係者にとっても、必読の書であると思われる。
本書は、米国と英国の事業再生のファイナンス面についての制度と仕組みを豊富な実例を交えながら説明している待望の書である。例えば米国のDIPファイナンスについて、チャプター11を申請したケースとそれ以外のケースなどをそれぞれ仕組みや法的側面をしっかりカバーしながら、こういったファイナンスの歴史的な経緯や、最近話題になった破綻の実例を使って説明している。更に、随所で「日本への示唆」という提言を入れており欧米の金融技術の紹介だけでなく、本邦での応用についてまで有益なヒントを与えてくれている。
非常に感心するのは、これだけ専門的で複雑な内容を深く扱った書であれば、無味乾燥で読みにくいものが普通なのだが、本書は非常に読みやすく、読者が事の本質に触れることを極めて容易にしてくれている。
それから、5人の方々の共著であるのだが、文章や内容の質が統一されており、こういった書にありがちなムラが全く感じられなかったことは驚きである。
日本は、今ようやく、事業再生が金融界だけでなく経済全体にとって欠くことのできない分野であることに気が付き始めた。そういった時期にこれだけ質の高い書が出版されたことは、なんと幸運なことであろうか。
この書によって、事業再生ファイナンスの技術で米英にキャッチアップする時間が大きく短縮されるに違いない。経営やクレジット関係の仕事に関わるすべての人にお勧めしたい。
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