経営環境の変化が激しい現在においては、環境に合わせて常に組織を変革していくことが企業の命題の1つになっています。過去の成功体験に足をとられ、変革がなされなければ、環境の変化に取り残されて没落していくしかない。
この本は、その変革が企業内部でどのような手順で行われ、その過程でどのような問題が起こり、その問題をどのように解決していくかが小説仕立てで非常にイメージしやすく書かれている。
特に登場人物の人物設定が非常にリアルな点が良い。
変わらなければいけないと分かっていながらなかなか過去の慣習が断ち切れない営業部長、過去の成功体験のプライドを捨てきれずに変革の足を引っ張る商品開発部長、変革と部下のリストラの板ばさみに苦しむ製造部長、うまく部下を巻き込めず、部下にダメ出しまでくらって自信喪失に陥る資材購買部長、など、周囲の人や自分にも当てはめて読めるためイメージがしやすい。
変革において一番難しく、理論化しにくいのが人間の感情的な部分の改革だと思いますが、各当事者のその感情的な部分の変化を小説仕立てにしてうまく表現している点は秀逸だと思います。
そして、各変革手法も各章ごとにエッセンスとしてまとめてくれてるところは実用の際に非常に重宝する。
非常に勉強になるうえ、物語としても面白いです。変革プロジェクトのリーダーを任されている方、変革が迫られる企業の経営者の方などにオススメ。