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事実・虚構・予言 (双書プロブレーマタ 7)
 
 

事実・虚構・予言 (双書プロブレーマタ 7) [単行本]

N.グッドマン , 雨宮 民雄
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 4,200 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

(1)反事実的条件法の問題,(2)可能的なものの終焉,(3)帰能法の新たな謎,(5)投射の理論に向けての展望。〈非現実〉的なものに対し,経験論はどのような解決を試みるか。

内容(「BOOK」データベースより)

反事実的条件法、素質、帰納法など、〈非現実〉的なものにたいして、経験論哲学はどのような解決を試みるのか。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 単行本: 228ページ
  • 出版社: 勁草書房 (1987/5/30)
  • ISBN-10: 432619877X
  • ISBN-13: 978-4326198771
  • 発売日: 1987/5/30
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
23 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By θ トップ1000レビュアー
形式:単行本
惜しい、こんな有名な本をだれもレビューしてないなんて
序文に「『事実・虚構・予言』は現代の古典という地位を獲得している」とまで書かれる本なのに・・・
日本でのグッドマンの扱いはちとひどすぎるのではなかろうか。

本書では、帰納、推測、反実仮想といった問題を取り上げている。
そうした用法の、我々の直感の分析と理論の構築を行っている。

反実仮想は、例えば雨が降っている日を振り返って「もし雨が降っていなかったら、ハイキングしていただろうに」などと思うものである。
しかし、「pならばq」は、論理学で習うように、pが偽ならば、qではどんなことを述べても、「pならばq」は真なる文となる。
そうすると、実際には雨が降っており、「もし雨が降っていなかったら」と偽なる仮定を置いているのだから、後半にどのような文を置いても、「もし雨が降っていなかったら、〜」は真なる文となる。
しかしこれは通常の用法に反している。とすれば、我々はどのように認められる反実仮想と認められない反実仮想を分けているのだろうか。

我々は、有効な帰納とそうでない帰納を使い分けている。
例えば、ある種から3つの花が咲き、そのうち2つが黄色い花だったとしよう。このとき、3つ目の花も黄色いだろうと帰納的に推測するのは妥当な推測である。
しかし、ある部屋に3人の人がいて、そのうち2人は次男であったとしよう。このとき、3人目の人も次男だろうと帰納的に推測するのは妥当ではない推測である。
さて、この2つを、論点先取りに陥らずに区別するのはなんだろうか。

性質は可能的に語られる。
例えば、あるビンの中の液体を「それは燃える」と言ったとしよう。当然その液体は今現在燃えているわけではない。すなわちそれは可能的に燃えるということだ。
しかし、その液体は結局最後まで燃えずに終わるかもしれない。さて我々は何を語っているのか。

エメラルドはグリーンである。少なくともこれまではそうであったし、従ってそう帰納的に推測するのは妥当だろう。
ところが、「エメラルドはグルーだ」という帰納も、「エメラルドはグリーンだ」と同等に妥当な推論である。
グルーとは、ある時刻(今よりは未来の時刻)まではグリーンであり、その時刻以降はブルーであるような性質を指す。
今までグリーンであったというデータは、今までグルーであったというデータでもあり、確からしさを等しく保証している。
では、エメラルドはグリーンだと推測したい我々の考えは、誤りなのだろうか。

グッドマンは、過去の推測での語の用いられ方でもって、グリーンの側を擁護する。
つまり、過去の推測の際に、グルーのような語よりも、グリーンのような語のほうが圧倒的に多く用いられていたため、グリーンの方が正しさが上なのだ。
また、推測においては、対象となるものを含んでいる集合のもつ性質も、その推測の妥当性を左右する。
さらに、不自然な予測を避けるため、二つ同等に確からしさが保証され、かつ対立するような推測は、ともに保留するような方法を編み出す。

投げてくる問いは、日常的で、また悩まされてしまう類のものである。
考えてみても面白いものが多い。
グルーのパラドックスは特に有名だ。
(似て非なるパラドックスに、クリプキ『ウィトゲンシュタインのパラドックス』がある)

グッドマンは、欧米では高い評価を受けているのに、日本での扱いは低い。
訳書も、本書と、最近ちくま文庫で復刊された『世界製作の方法』だけである。
もっと読まれるべき哲学者だと思われる。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
本書は巻末に「要約」と「解説」があります。以下は、私の自己流解釈です。
本書の内容は一貫して帰納法の解明にあります。この視点が理解できていれば、
本書を読み解くことができると思います。

1章は、反事実的条件法です。反事実的条件文から未来への確実な帰納を帰結
できるかというアプローチです。反事実的条件文は、前件が常に偽であるゆえ、
論理学の「PならばQ」の解法では後件のいかんに関わらず全て真となります。
従って、正しい反事実条件文かどうかは適切な条件付けという実質論により
決まります。この時点で反事実的条件文による形式的検討の枠外に出てしまう
ので、その先の法則性の検討は蛇足という感じもします。

2章は、後日に反事実条件法を敷衍して、可能性、素質の観点から検討しています。
言語的側面からの解明というアプローチは時代背景に負うところがあります。
「グルー」の議論の端緒が現れ、その後の章にも引き継がれます。
これも帰納法の探求の一環です。

3章では、有名な「グルー」が正面から取り上げられます。
本来のグルーは、帰納法に関しての事実の問題です。即ち、これまで観察された
エメラルドが全てグリーンであったという事実から、今後も全てのエメラルドが
グリーンであると帰納できるかという問題です。

未来のエメラルドが緑である完全な保証はなく、規則性や斉一性がどこまでも続く
という完全な保証は帰納法からは導かれないことは、グッドマンが改めて強調する
までもない当然のことのようにも思えます。

そこで、クリプキはグッドマンの議論には混乱があるとして意味の問題として
「グルー」を捉えなおします。意味の問題とは、「グルー」を「ある時点まで
グリーンは緑を意味し、その後は青を意味する概念」と定義したうえで、そのある
時点以前に同じ緑色をグルーでの緑と考えている人と普通に緑と考えている人と
区別できるのかという問題です。

たしかに、グッドマンの議論には、グルーを事実の問題として考えるのか、言葉の
意味の問題(さらにはその認識の問題)として捉えるのかについて混乱があるよう
にも見えます。
しかし、グッドマンは一貫して帰納法を検討しているのであって、クリプキの解釈
はグッドマンには「余計なお世話」でしょう。

4章は投射の理論です。そのままでは解決できないものを他のものに投射してみれば
解決できるという考えは少し奇異に映ります。グットマンは、集合論にも言及して
いることからも明らかな通り、数学的な手法としての投射と同様に言語論的な投射に
よる解決に期待を抱いています。
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