経営は当たり前のことをきちんと実行することだ。しかし、当たり前が難しい。当たり前とは例えば、不完全でもデータに基づくこと、事実を見ること、顧客の意見を聞くこと、従業員の意見を聞くこと。これらを実行しようとする時に立ちはだかるのが、常識の壁である。
著者は、6つの常識を挙げ、これらは「半分だけ正しい」という。常識と思われていることが「半分だけ正しい」とは、物事にはプラスの面とマイナスの面があるという単純な事実である。しかし、実際に組織で行われていることは、プラスの面だけを見て「全部正しい」と思い込んだ常識を実行してしまうことである。
著者が挙げている6つの「半分だけ正しい」常識とは次の6つである。
・仕事とプライベートは分けるべきだ。
・業績が良い会社には優秀な人材がいる。
・金銭的インセンティブは会社の業績を上げる。
・戦略がすべて。
・変革するしなければ死ぬ。
・偉大なリーダーは組織を完全に掌握する。
これらについて、様々な観点から調査し、プラスの面とマイナスの面を非常に明確に示している。金銭的インセンティブは成果主義のことで、このマイナス面を知らない者は日本にいないだろう。
個人的に気に入ったのは、業績が良い会社とは優秀な人材によってではなく、優秀な組織やチームワークが支えているという指摘である。そして、組織が人を作るのではなく、人が組織を作るのだ。人の才能は必ず伸びる。失敗も成功も共有して互いに助けあうべき、と人と人との協力を大切にする精神を何度も強調している。
本書は、互いに成長しつつ協力しあう人間への賛歌である。