Iチーム・シリーズの第三弾。今度のヒロインは、「刑務所における女性受刑者の実態」をテーマにして妊婦の受刑者ミーガンを取材するソフィ。ヒーローは、ミーガンの兄にして元軍人&元麻薬捜査官で現在終身刑で服役中の、ハント。ミーガンが赤ちゃん連れで失踪し、ハントはミーガンを助けるべく、ソフィを人質に脱獄。追うジュリアン。ソフィの運命や、いかに?
相変わらず、事件の背後にある悪の、醜いこと。
目をそむけたくなるような事件の数々。
今回は、男性優位主義と社会的不利な立場に立たされた女性に対する卑劣で悪逆な行為、そして、麻薬に踊らされる人々。その末路。
この物語の本質はロマンスですから、社会の悪を曝け出すような、また、事件の黒幕を推理するような、そこまでのさわりはありません。
ですが。
ヒーローとヒロインの直面する事件の影をくっきりとうつし出すには、素晴らしく効果的。
自分が、この二人だったら?
Iチームの仲間がいなくて、孤立無援だったら?
思わずぞっとする、この苦さ。
事件が目をそむけたくなるような裏切りと欺瞞に満ちているだけに、逃亡中の二人(!)と、ソフィを心配するIチーム&ジュリアンの絆が際立ちます。
うん、文句なし。
かなり計算された、スバラシイ物語と言えましょう。
しかも、「明日はないかもしれない」二人だから、切ないロマンスの香り沸き立ち、より刹那的な愛は、純。
ぞくぞくします。
しびれます。
最高に完成された物語です。
今作で特に目をひくのが、瞬間湯沸かし器のような上司のトムと、実際的でスバラシイ頭脳と行動力を見せるジュリアン(前作のヒーロー)。ソフィを守るべく、獅子奮迅のご活躍。すごい脇役たちです(笑)。
いい物語は、全てがいいですね。
(一つ問題があるとするなら、黒幕が分かりやすかったことカナ?まあ、でも。推理ものじゃないし。ロマンスものとして捉えると、問題なしでしょう)
アメリカでは、5作目までが出版されているとのこと。
やれやれ。待ち長いなあ。
4作目のヒロインはナバホ族の血をひくキャットとか。彼女に行き着くまで、どれくらいかかるんでしょう?