新聞を読むだけでは分からない、国際関係の本質的・根源的な部分がクッキリ見えてくる好著だ。暗い夜道を歩いているとき、パッとライトを照らされたような感じだろうか。これはじっくり読む価値がある本だ。
著者は冒頭で公的約束を守ることの重要性を説き、真珠湾攻撃をパリ不戦条約の観点から非難している。保守論客として異端ともいえる視点であるが、読むと納得させられる。
現状を評論するだけの学者が多いなか、本質を見抜き隠された問題を指摘し、保守派にとって耳が痛いことをも納得させる著者の力量に感嘆する。戦前の文献を何千冊も読み込んだ圧倒的な知識の厚みに、本質を見抜く天才的な洞察力が加わっているように思う。
第7章の在郷ロビイスト加藤健氏のインタビューは衝撃だった。「そんな手口があったのか!」と思った。ごく普通の市民が、日本にいながら外国の議員を動かす在宅ロビー活動のノウハウが公開されている。こうした呼びかけは過去例がなく、日本の保守系運動を革命的に変える可能性がある。たいへん具体的で分かりやすく、今日から始められるよう簡潔に説明されていた。
もっとバイブル的に5000円くらいで売り出されてもいいような本だ。久々に知的興奮を味わった。