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6 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
刺激的、だが余りに学術的すぎ難しい,
By 鷺坂判内 "まさぞう" (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 乳房はだれのものか―日本中世物語にみる性と権力 (単行本)
中身が濃すぎて、うまく評論できないが、召人論が最も面白かった。源氏物語の(或いは日本の古代における)「女房」の役割について、召人論の中で、女房と呼ばれ召人とも呼ばれる女たちがいて、彼らは正妻、妻といった、後援者(舅、乳父)がいて身分の高い女に奉仕する使用人なのだが、男主人が彼女に手を出した場合(そうすることは自由とされていたらしい)、女にも断る自由はあるけれど、関係は公式のものに発展しないし、子供が出来ても決して認知されない、低い身分の女と位置付けられていたという。勿論、女房=召人の中には、出身の良いものも稀にいるが、後援者がいなければ、生まれが良くても、正式な妻の地位にはつけず、男からも相手にされない。子供を生まないことを前提とした(生んでも無視できる)女の存在。その意味で、召人は、跡継ぎの問題を引き起こさないという意味で、院政期における男の愛人たち(院は男色が望ましいとされたらしい)と同類であるという。源氏物語の時代の結婚、恋愛というのは、純粋な恋愛感情でやっているのではなく、舅、後援者という有力者との関係作りだということになる。 確かに、源氏物語では、女房とはそんな位置付けだったっけ。そして浮船の身分が召人であったと示されることで、源氏物語が、宇治十帖に至って、当初の、正妻、妻たちと源氏を巡る物語(政治的、公式的な物語)から、公式の妻の身分を決して獲得できない女たち(女房、召人、浮船)と、生まれ、地位が不安定な薫の物語(私的な、そして純粋な恋愛の物語)へと発展しているのだ、と主張される。平安朝の女たちには、二種類の女がいたのだ。身分の高い女と、そうでない女。後者の生んだ子供は、認知されるどころか、存在さえも言及されない。(例えば、白河院の子かもしれない清盛も、その一例なのだろうか?) 乳母論では、乳母と男主人が関係することが多かったこと、しかし乳母の子は男主人の子として認知されないこと、が説明される。乳母が育てた男子と乳母子(男子)とが関係を持つことも多かった時代なので、この時代のおける性とは、現代とは全く異なる社会習慣、制度なんだということも思い知らされる。 という訳で、今まで源氏について知っていると思っていたけれど、実は何も知らなかったのではないか、と気づかされる大変刺激的な本でした。 でも良く分からないことばかりで、読み通すのは至難かも。
8 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
専門でない人にも,
By カポーティ (さいたま市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 乳房はだれのものか―日本中世物語にみる性と権力 (単行本)
書店で、帯がふざけてて気になった。ふつうの古典研究とは、一線を画す着眼点がおもしろい。 ビジュアルな芸術から、いろいろな思想を読み解くのが好きな人にもお薦め。 知的良書だと思います!
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