乳がんと診断された人には、様々な治療が待っています。種々の検査、手術、放射線、術後の補助療法(ホルモン剤、抗がん剤)や定期検診。
お医者様は、もちろんその患者さんの状態を考えて治療法を提示してくださると思いますが、実際は、あまり詳しい説明がないまま、次から次へと治療が行われていきます。
温存手術といっても、形が大きく変形してしまう場合もある。術後、よく行われているホルモン療法で、閉経してしまう人もいるなど、医師に詳しい説明を受けないと、知らないまま治療を受けてしまい、後から後悔してしまうようなことも紹介されていました。
後書きに近藤医師はこのように語っています。
「現在患者となって治療を受け、10年後、20年後にも後悔しないですませるためにはどうするか。みずから情報を集め、乳がんの治療の現状と、各治療法のメリット・デメリットを正確に理解する必要があります。そして最後は、自分で考え、自分で決めるのです。情報が足りなかったり、自分で考えずに(担当医を含め)他人の言葉に頼って治療を受けると後悔しやすいのは、がん治療における定めです。すべての患者が過不足ない乳がん治療を!」
患者自らが考える時に、この本はその材料を示してくれていると思います。近藤医師の意見が全てではないと思いますが、長い間、乳がん患者を治療し、見守ってきた医師の言葉には、「ガイドライン」に従うだけではない、今までの実績に裏付けられた重みを感じました。