この作品が通常の歴史小説と異なるのは、「とにかく読みやすい」こと!
通常の歴史小説であれば、その時代の人、つまり「鎌倉時代の日本人」が知りうる知識・ボキャブラリーでしか書けないようなことが、「西洋人」という他者の視線を通していることで、まるで現代小説のように見通しがよくなっている。
内容自体は、「十字軍の騎士が日本に漂着し、鎌倉武士と一緒に元軍と戦う」という荒唐無稽なもの。
しかし主人公である騎士エドワードは、日本で何度も鎌倉武士の強さに驚嘆する。
・日本軍が重装長弓騎兵団によって構成され、去勢しない馬を乗りこなすことで機動力にすぐれること。
・その鎧兜は動きやすい上に防御が堅く、モンゴルの短弓では倒されないこと。
・あつかう長弓の飛距離も威力もすぐれ、接近すれば太刀による白兵戦に切り替えられること(他国の兵士は歩兵、弓兵、騎兵などと専門分化している)。
そんなことだけでなく、当時の博多、鎌倉の様子や生活様式(食べ物やお風呂など)も描かれ、「そうなのか」と驚くことばかり。
特に博多から鎌倉へ移動するシーンなどは、当時の地理状況(富士山の噴煙、今は崩れて消滅した湾岸の道など)なども踏まえてあって楽しく読めた。
海上爆破や砂上決戦など派手なシーンも多い。
これは絶対、映画化すべき!