登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
北村薫さんの選評に惹かれて,
By K - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 乱反射 (単行本)
日本推理作家協会の選考委員である北村薫さんが「『乱反射』に与えないようなら、推理作家協会賞の意義はない」 とまで言わしめた選評に興味を持って手に取りました。 巻頭からいきなり、登場人物の殆どが犯人という種明かしがあります。 それがあったことで“事件”にたどり着くまでの、 長い長い導入の意味が理解できます。 各章につける数字は、マイナス44から始まり、 事件が起こってから改めて第1章となります。 それぞれの登場人物の“身勝手な都合”が、 幼い子供を死に追いやっていく過程が丁寧に描かれています。 個人的なエゴが、三人、四人と積み重なった時、 人為的な殺人に発展する恐ろしさ‥。作者はそこに目を向けたのですね。 子供を喪った親の心情描写は胸に迫ります。 <直木賞候補作> <日本推理作家協会賞>
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
本当の悪とは,
By adong (京都市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 乱反射 (単行本)
昨年読んだ本で一番良かった。週刊誌の書評で最新刊の紹介を見て、興味をもって読んだのだが、なぜこの作者に今まで出会えなかったのか、本当に残念。 今全作品を読破するつもりで現在次々に読んでいるところ。 現実の社会で、日常的に人を傷つけ、迷惑をかける本当の悪は、けして凶悪犯罪でなく、本人たちがそれほど悪いと自覚していない小さな身勝手の積み重ねなのだ,そういう意味では、誰もが「悪」を犯しうるという真実を、フィクションの形をとって巧みに描いている。 日頃、タバコのポイ捨てや病院・乗り物内での携帯電話のマナーがとても気になるが、これを読んで、「悪気のない小さな悪が最もたちが悪い」という感覚は正しいのだと改めて思えた。 こういうことを小説のモチーフとする作者の目の付け所はすごいと思う。派手な犯罪よりある意味ずっと恐ろしいことだから。 主人公の心の動きも丁寧に描いているので無理がなく、また、主人公の上司の人物造形がリアルで説得力がある。
15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
誰もが加害者にも被害者にもなりうる困惑,
By サン (岡山県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 乱反射 (単行本)
「放置した犬のフン」が人を殺す...些細なルール違反が重なって取り返しのつかない事故へと繋がる 痛ましい結果に反して前半はありふれた日常としてむしろのんびりと描かれています。 が 読み手は「犬のフン」に言い表されるそれぞれの身勝手な自己弁護が いつどういうかたちで事故に繋がるのか常に意識しながら読み進めることになります。 ひとつひとつのエピソードは眉をひそめることはあっても 事が起きなければ誰もが自分とは関係なく見過ごすことであり 日常ありふれて行われているであろう現実です。 子を失った新聞記者である加山は直接の加害者のうらに潜む 様々な「加害者」をみつけ自己責任を追及し謝罪をもとめますが そこに現れたのは社会ともいうべき得体のしれない大きなモノの不条理です。 おれは世間の痛いところを突いたのだ...という加山の思いは さまざまな身勝手さ(一見正当な自己弁護のついた)にあふれている現実社会に 声を上げる難しさ、怖さ、無力感を端的に言い表していて それでも生きて行かなければならない私たちの窮状を代弁しています。 正体のない複数の加害者とも呼べない加害者。 個人という顔に行きつかない行政の厚い壁。 私たちが日頃なにげなく犯しているであろう過ちと 世情に対して時折感じる憤り、やり場のないやるせなさを 描いて秀逸です。 ひとつ難をいえば最後のエピソードはむしろなかったほうがよかったか。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|