1977年秋来日したフレデリック・ダネイは(共作者のマンフレッド・リーは1971年に没している)、インタビューに答えて作者自身のベスト・スリーに以下をあげている。
1.『チャイナ・オレンジの秘密』
2.『災厄の町』
3.『途中の家』
そして番外として本作『九尾の猫』をあげている。
本作は1949年の作で、いわゆる国名シリーズやX・Y・Z・最後のドルリー・レーン・シリーズを書き上げた後であり、スタイルの呪縛から解かれ全く新しいエラリー・クイーンの冒険をその広範な知識のもと作り上げる時期だったと思える。プロットが実に現代的で他のレビューアーが書いている通り本作はクイーンの最高傑作だと僕も思う。
他の『本格』作家に与えた影響も大きい。法月綸太郎氏などは『二の悲劇』の中で本作を『バイブル』と書いているくらいだ。国名シリーズやX・Y・Z・最後のドルリー・レーン・シリーズを読み上げてクイーンを理解したと思うなかれ、最高の果実はその先にあるのだ(●^o^●)。