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九夏前夜
 
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九夏前夜 [単行本]

佐々木 中
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,365 通常配送無料 詳細
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九夏前夜 + 切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話
合計価格: ¥ 3,465

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商品の説明

内容紹介

この才能に戦慄せよ! 『夜戦と永遠』『切りとれ、あの祈る手を』の佐々木 中がはじめて小説を書いた。 咲いたのだ、密やかに。夜の底の底で、未来の文学の先触れが。

内容(「BOOK」データベースより)

『夜戦と永遠』『切りとれ、あの祈る手を』の佐々木中がはじめて小説を書いた。―咲いたのだ、密やかに。夜の底の底で、未来の文学の先触れが。踏みにじられてなお枉げがたい、静かに顫える花が。

登録情報

  • 単行本: 112ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2011/1/21)
  • ISBN-10: 4309020216
  • ISBN-13: 978-4309020211
  • 発売日: 2011/1/21
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 300,912位 (本のベストセラーを見る)
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33 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
何を読んだと言えるのだろう。読んだそばからどこまで読んだか忘れてしまうような文章。「小説」と言っていいのか。後藤明生さんの作品のようなどこかへ運ばれていく快感はない。
「九夏前夜」というタイトルを手がかりにすると、青春が終わっていき、人生の夏にさしかかる語り手の語りと思えるけれど、後半では死んだ父や姉の話も出てきて決めつけられない。ただ分かるのは思考の地べたを這うような文章だということ、地べたを這う思考の文章ではなく。青春の混乱のあとに来る虚脱、脱力。精一杯見栄を張って張って生きた若い日々が終わるとき、人間は自分がこれが自分であると思う言葉では、本当は統御できない、言葉と欲望に振り回される、ただの乗り物でしかないんじゃないかと思える、気づく、気づける、短い瞬間のルポタージュ。本当はこんなもんじゃないかと言葉で表そうとすると、浮かび上がる「みっともない」人間=生物の生(なま)すれすれ。
「渋谷の飲み屋でそういうわけでわが祖母はマルクスよりもダンテよりもすごい人であってゆえにねえ結婚してなどと泥酔して言い女にふられたのも今ではいい思い出ですがもうこの男何とかしてくれ誰か」
これが発表されたのは、『切り取れ、あの祈る手を』がヒットしたことによるのだろうと思う。一読者から見れば、よく発表できたな、でもやっぱり通過儀礼的な作品じゃない? とは思う。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
聞きしに勝る難解な書物でした。文脈の切れ目がわかりにくいし、引用先が不明確だし、記憶と現実と妄想の境界もあいまいだし、なにより言葉自体が耳慣れない語感の連続。そういう難読なところが、不可解なところに「深い」意味を求めてしまう真面目な読者を翻弄してしまう側面があるのは否定できないと思います。また、不可解さを嫌ってわかりやすくしようと努力する別の真面目な読者にとっては、祖父や祖母が登場してきたりするので、そこを手掛かりに私小説的・自伝的に読めてしまうということも否定できないのではないでしょうか。

しかし、引用も自分の言葉も区別しないのは「私」の同一性から出発しないことの、記憶と現実と妄想を故意に危うく配置するのは「現実」の確実性から出発しないことの、明瞭で意図的な実践です。だじゃれレベルから古語レベルまで耳慣れない言葉を連ねるのも「言語」の自明性を揺るがすことにほかなりません。ここにあるのは不可解な「深い」意味でも私小説的な出来事でもなく、思想的な実践です。

実践されているのは、ヒットしたという前書「切り取れ、あの祈る手を」で力強く肯定されている「文学」への信頼。あちらの本のほうが100万倍わかりやすいので、著者の思想をてっとり早く知りたい方はあちらを読むのがおすすめです。そのうえでこちらの「文学」に翻弄されれれば幸福な読書体験ができるのではないでしょうか。
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