世界の傑作機2002年1月号、九六式陸上攻撃機の特集です。
世界一周を成し遂げた民間型のニッポン号や、英戦艦二隻を撃沈したマレー沖海戦などで、九六艦戦とともに海軍航空の新時代を開いた本機ですが、旧「世傑」や丸メカニックなどでは採り上げられず、本書は待望の一冊となりました。
開発と変遷、配備された部隊、写真の解説は秋本実氏と伊沢保穂氏、戦歴は小林昇氏、塗装とマーキング、細部イラスト集、巻末の図面集は渡部利久氏です。陸上攻撃機という機種の誕生から、八試特偵、九試中攻を経て本機に至る経緯、各型の変遷が解説されています。掲載写真の多くは、垢抜けてスマートな双発機といった感じで、一式陸攻のような悲壮感はありません。また、中島で生産された二三型が、B-17Gより航続距離が長くなっていたこと、元搭乗員の方が戦前戦中に撮られた、本機の膨大なフィルムが存在することも知りました。戦後の緑十字飛行まで飛び続けて、もう二度と見られない名機を偲ぶのに貴重な写真集です。