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乙女の美術史 日本編
 
 

乙女の美術史 日本編 [単行本]

堀江 宏樹 , 滝乃 みわこ
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

古代から現代まで、日本の乙女アート再発見!

日本は「世界一美術展に足を運ぶ人が多い国」です。
しかしそこで人々が食い入るように見つめているのは、作品ではなく「説明文」。
そう、日本人は美術に興味はあっても、教養がないのです……。
一度読んだだけで頭に残り、すぐに美術館に行きたくなる本が、やっとできました。
「乙女の美術史」では、女性に人気のある作品と作者にまつわる恋愛、家族、友情を中心に
「乙女」目線で名作をわかりやすく読みといていきます。

【カラー口絵】
阿修羅像、源氏物語絵巻、葛飾応為、歌川国芳、竹久夢二、内藤ルネ、中村佑介 ほか
【古代・中世】
●キレイなお父さんは心配性―『阿修羅像』
●仏像のセクシュアリティ―『弥勒菩薩拶半跏思惟像』『薬師三尊像』
●人気のために「脱いだ」女神―『吉祥天像』『江ノ島弁才天』
●末法思想の中で求められた「ふっくら」仏―『阿弥陀如来像』
●清盛が描かせた「刀をふりかざす平安美人」―『平家納経』
●じつはやっつけ仕事だった『金剛力士像』―運慶と快慶
●イケイケ父さん、かわいそうな父さん―『金閣寺』『銀閣寺』
●水墨画の「画聖」はギラギラ生臭坊主―雪舟
●戦国天才絵師の奇妙な生い立ち―岩佐又兵衛

【近世】
●武力でなく、文化で反旗を翻した男―古田織部
●琳派にリメイクされ続けた『風神雷神図』―俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一
●「萌え絵」はここからはじまった―菱川師宣、鈴木春信
●歌麿の「ちょいぽちゃ好み」を引きずり出せ!―蔦屋重三郎
●「謎の絵師・写楽」の絵は売れていたのか?―東洲斎写楽
●オタク? 変態? じつは「日本のダ・ヴィンチ」―伊藤若冲
●天才オヤジと強がりムスメ―葛飾北斎・葛飾応為
●ポップアーティスト歌川国芳と愛弟子たち―月岡芳年・河鍋暁斎

【近現代】
●伝説の花魁を泣かした『美人』の絵―高橋由一
●名もなき母へ捧げた東洋のマリア『悲母観音』―狩野芳崖
●「心やさしき野蛮人」たちの日本美術院―横山大観、菱田春草、下村観山
●天才、ヌードでつぶされる―黒田清輝
●ロマンチックが止まらなかった永遠の中二病―青木繁
●人気女流画家たちの生き方―上村松園・小倉遊亀・片岡球子
●智恵子を追いつめた「光太郎ショー」―高村光太郎
●画風とは正反対のマッチョすぎる「理想の女性」像―竹久夢二
●田舎の少年たちを奮いおこした「妖しい美少年」―高畠華宵
●カリスマ女性誌『それいゆ』の時代―中原淳一・内藤ルネ
●少女漫画というアート―萩尾望都とこれからの少女漫画

☆番外読み物1 日本の仏像・インドの仏像
☆番外読み物2 能はアニメである!? 世阿弥『花伝書』
☆番外読み物3 変わりゆく漫画の中の恋愛観

内容(「BOOK」データベースより)

古代から現代まで日本の乙女アート再発見。

登録情報

  • 単行本: 224ページ
  • 出版社: 実業之日本社 (2011/11/17)
  • ISBN-10: 4408411590
  • ISBN-13: 978-4408411590
  • 発売日: 2011/11/17
  • 商品の寸法: 18.8 x 12.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By sasabon #1殿堂 トップ10レビュアー VINE™ メンバー
女性好みの仏像や絵画を中心に取り上げてあり、近現代では上村松園・小倉遊亀・片岡球子などの女性画家に着目し、高畠華宵・中原淳一・内藤ルネの挿絵画や萩尾望都の漫画まで範囲を広げて、分かりやすく美術の面白さを説いています。

二色刷りでポイントは赤字で記され、それぞれの章の初めには見開きの漫画で解説してあると言う風変わりな美術史です。活字メディアに親しんできた者にとって、漫画の挿入は意表を突かれますが、サブカル的な美術史ですので、これもありかなと肯定的に捉えました。

それゆえ堅苦しさとは無縁ですし、結構取り上げた人物エピソードは詳しく、類書とは違うアプローチですので、日本美術を好んで観賞してきた人も面白いと感じるでしょう。
それぞれの画家の人となりや愛憎劇にもスポットライトをあてているので、無味乾燥な人物像とは眞逆の美術史でした。

高校の教科書的な美術史ではなく、筆者の関心のあるものを選択してあるので、網羅的ではありません。口絵に取り上げられた『阿修羅像』『帝釈天半跏像』『源氏物語絵巻』『平家納経』など古代・中世の絵画や彫刻は、視点や捉え方のユニークさやはあるにせよ、比較的オーソドックスな流れでした。

安土桃山時代に入ると、長谷川等伯は少し名前が挙がりますが、狩野永徳は名前も見当たりません。そのかわりに岩佐又兵衛を紹介している所に筆者の思いと狙いが感じられます。

江戸絵画では、狩野派や円山応挙というメインストリームの記述は無く、琳派の俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一の流れを記しており、現代人の関心に沿った選択と言えるでしょう。月岡芳年・河鍋暁斎などはまさしく現代のポップ・アートの先駆ですし、近年富に人気を博している絵師たちですので、時流に合っていると思いました。
196ページ以降の高畠華宵・中原淳一・内藤ルネや萩尾望都という流れをいっその事、もっと詳しく記載していただいた方が「乙女」のイメージが強くなって良かったのではと思いました。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By More
帯に萩尾望都先生の推薦が入っていたので、速攻手に取りました。
美術館は好きでも美術自体に、ましてや日本の美術にはあまり詳しくありませんでした。ただ、文章がわかりやすくて身近な話題に置き換えて解説してくれるので、すらすらと楽しく読めました。

特に2章の近世がお気に入りです。
浮世絵の話というよりむしろ描いた作者の波乱万丈な人生やその時の心情について紹介されています。単に“美術史”というと、どうしても私には難しく感じてしまうのですが、作者のキャラ設定が上手くて、歴史に詳しくなくても笑えます。「あ、教科書に出てくる人でも結構ふつーのオタクなのか…」とか思えてきたり。笑。蔦屋重三郎と歌麿の関係とか、歌麿へのあてつけのような写楽の扱われ方とか、歴史に出てくる人も今のフツーの人と大して変わらないんだなぁって思っちゃいました。

美術は学校で受験対策に暗記するだけで終わった記憶しかありません。美術館にたまに行っても「キレイだなぁ」とかで終わってしまうだけだったのが、作った「人」にフォーカスすると全然違った面白さが出てくるのは本当に意外でした。世界編もあるみたいなので、そっちも読んでみようと思います。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「乙女の日本史」からこのシリーズはすべて読んでいますが、
このシリーズ最大の特徴は、するどい男女論にあると思います。

たとえば、カバーの絵のモデルにもなっている
「見返り美人」は
「若い女性といえば『むっちりとしたモノ』という
伝統的な質感表現の外には出ようとしてない」とズバリ。
女性向けの「萌え絵」が日本に誕生したのは、
「つららみたいに透きとおるかのように細い」
鈴木春信の浮世絵から……という指摘は納得です。

女流画家の上村松園が、男性画家に「男をそそる女の絵を描け」と
言われて「私のような野暮な者は、殿方のお気に召すような
女の絵は描けません」ときっぱりこたえるところもスッとします。

私がいちばんおどろいたのは、『智恵子抄』で
聖夫婦として有名な高村光太郎・智恵子夫妻を
「『智恵子抄』ではなく『光太郎ショー』とでも呼ぶべきものじゃないか。
すべてはプロデューサー・光太郎の見栄とエゴによって作られた
偽物のドラマじゃないのか」
という部分です。昔、テレビドラマで感動したことのある私でも
ハッとさせられる視点で分析されています。

帯に推薦文を寄せている萩尾望都さんの『ポーの一族』はじめ、
『モテキ』『海月姫』など最近の漫画の恋愛観についても
するどい指摘があります。

芸術家のことはもちろん、現代の男女の見方が変わる
恋愛本としてもすぐれたシリーズだと思います。
写楽を「現代のゲイの男性に似ている」と書かれていますが、
この本の作者についても同じように感じるのですが、いかがでしょうか…。
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