この作品は『少女の友』という少女雑誌に1937年6月号から1938年3月号まで連載された、川端康成の作品です。ゴーストライター中里恒子の作品とも言えるものです。少女三人の三角関係を描いた、美しい描写の物語でした。中原純一さんの挿絵も魅力的で、文体も読みにくいかと思っていましたがあまり時代を感じさせないというか、読み始めたら一気に読めるものでした。お勧めです!またこの作品が執筆された時代は学校制度が確立し女子の就業期間が長くなり、国家が「少女」という存在を位置づけようとした時代でした。作中では女子は卒業後就職、という道もあるように書かれていますが、実際の女学生たちは結婚という選択肢しかない者が多く、就職は夢のまた夢だったようです。結婚という道を進むため、純潔を逸脱せず愛情を形成しようとした社会背景あっての、<エス>なのです。学生の間が卒業後の就職につながる男子と異なって、未来につながらない卒業と同時に終わる学生期間。そのはかなさが魅力的でした。とても深い物語だったと思います!!!!