リーダー論が苦手な人でも、すんなりと読める本。頭脳明晰なサッカー選手として著名であり、15才からことごとくナショナルチームの主将を任された筆者が、一体どんなに力んだリーダー論を、一体どんなに難しく理想論的に書いているのか、と若干の疑心を示して読み始めたが、なんのその、小難しいは言わずに真摯な姿勢を貫いてストレートに書かれていた。
「僕が実際に経験し、体得してきた“主将”の役割と、それを務め上げるために必要なことをできる限り紹介したいと思う。」と前書きにあるように、実際の体験に基づいた話と、それらの状況を整理した実際の対応から話が展開している。精神論的になりすぎず、情熱的になりすぎず、目前の事象をきちんと捉えるところがまず筆者の能力であるとつくづく感じ入る。
ツネ様と呼ばれるほど女性に人気があるその風貌、ソフトで軽快なトーク、そして2002年W杯、アジア杯、コンフェデ杯、2006年W杯などサッカー通でなくても、テレビで見たことがあるあれらの死闘の中にいた人、文武両道、こんなにふんだんな要素を持った人はかなり少ない。
その人がストレートに語る主将論。歩みの重みと説得力と、視点の的確さと、そしてちょっぴり若き苦悩が覗くリーダー論、自己啓発講座などで読まされるリーダー論とは一味もふた味も違う、爽やかな読み心地でした。